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浴室の扉を横切る人影、確実にいる人の気配

 次の日、夜に会社から帰宅し、お風呂に入られました。お風呂に入っていると、何故か人の気配を感じたと仰います。

「何かが部屋にいる気がする」そう思ってお風呂の扉を開けようとしたその時、浴室の中折れ式の扉の磨りガラスに人影が一瞬横切るのが見えたそうです。その影が見えた時に、同時に人の歩く足音も聞こえたと仰るのです。

すりガラス向こうにいる人

 確実に誰かが侵入していると確信した広崎さんは、思い切って扉を直ぐに開けたそうです。しかし部屋には誰もいませんでした。逃げたのかもしれないと思い、部屋の扉や全ての窓も確認したそうですが、全てに鍵が掛かっていたらしいのです。

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 何の影だったのか、気のせいだと済ませられる程、曖昧な影や音ではなく、人がいるという気配が確かにそこにはあったそうです。

 不安な気持ちを残したまま、お風呂から上がり、そのままベッドで就寝されました。

 横になって寝ていると、再び人のいる気配を感じたそうです。その気配は、寝ている自分の顔を上から覗き込んでくるというものだったそうです。しかし、目を開けてもそこには誰もいません。

 広崎さんは、心霊現象などはあまり信じない質の方でしたが、この時は流石に怖くなって、部屋の電気を点けたまま就寝することにしました。

 これで安心して寝られると、そのまま目を瞑られました。その寝入り端、突然また人の気配を感じたそうです。

 それは、気配というよりも、人の頭の影だったと仰います。電気を点けたまま目を瞑っても、顔の近くで何かが動くと、その影がわかる様に、目を瞑っていると、突然瞼(まぶた)の明るさが遮られて、暗くなったのだそうです。

「確実に何かがこの部屋の中にいる」、そう思うと寝るのが怖くなり、ある程度明るくなるまで起きておられたそうです。

 それからも部屋に戻ると人の気配を感じることが多々あり、ゆっくりと出来るはずの自分の部屋が、とても居心地の悪い場所となってしまいました。

 またある日は、帰宅して、部屋に入った瞬間、誰かが自分のベッドに腰掛けていて、気がついた瞬間消えたのを見たと仰います。