昨年8月に行われた音楽フェス「MUSIC CIRCUS’23」では、観客による女性DJへの性加害が問題になったが、この事例は氷山の一角なのだそう。フェス歴20年の和田圭介さん(仮名・46歳)は、こう語る。
「天候が乱れやすい山間部のフェスでは、防寒着や雨具を着ていて意外に厚着の参加者が多いのですが、都市部のフェスは薄着で肌を露出している人も。そうした女性を狙った痴漢行為が多発しているようです。
ほとんどのフェスでは運営が『痴漢行為は犯罪。警察に引き渡します』などと注意喚起をしていますが、満員電車と同じようにパフォーマンス中やステージ間の移動など、混雑していて周囲にバレにくいタイミングが狙われやすい。スタッフの取り締まりが間に合わないことも多いので、十分注意してほしいです」
「3日間で5人とセックスした」という投稿も…
非日常の空間を味わえるフェスだけに、羽目を外してしまう人も多いのだという。
「2015年には『フェスの3日間で5人とセックスした』という匿名女性のSNSの投稿が拡散され、未だにたびたび話題になっていますが、実際、某フェスのテントサイトは自由な雰囲気があり、見ず知らずの男女が夜な夜なフリーセックスを楽しんでいるとか……。
たとえそうしたイメージを抱く人がいたとしても、セクハラや痴漢といった加害行為まで許容されるなんてことはもちろんありませんよね。高揚する気持ちも分かりますし、個人的には適度であれば羽目を外すのもいいと思いますが、フェスは決して“何をやってもいい場所”ではないことを忘れないでほしいです」
参加者同士の“相乗り”で起きたトラブル
フェスまでの道中でもトラブルは発生する。フェスでは会場までの交通手段が限られる場合が多いため、参加者同士で相乗りなどをして会場まで向かうことがよくあるという。そこでよからぬことを考える輩もいるのだ。年に数回はフェスに参加するという山下香織さん(仮名・44歳)は、友人女性であるAさんとの恐怖体験を話してくれた。
「Aちゃんと山間で行われる夏フェスに参加したときのことです。彼女と私は別々で会場に行き、現地で待ち合わせることにしていて、Aちゃんは『ネットで知り合ったという同じフェスに参加予定の30代男性2人組の車に乗せてもらう』と、都内近郊から会場に向かっていたんです。
Aちゃんが乗った車は和気あいあいとした雰囲気で、楽しげに会場に向かっていたところ、車は会場近辺のコテージ風の建物に到着。どうやら、男性の別荘とのことで、Aちゃんは、『荷物とか置いて行きなよ』などと部屋に入るよう促されたそうです」
しかし、男性たちが一向に会場に行くそぶりを見せないことをAさんは怪しみ、早く会場に連れていくよう男性陣に求めた。それでも、のらりくらりかわす男性に痺れを切らしたAさんは、彼らに食ってかかったという。