今年も各地で大きな盛り上がりを見せている音楽フェス。しかし、慣れない土地で数万人規模の観客が会場に出入りするとなると、不測の事態も避けられない。それゆえ、思わぬトラブルに見舞われた人も多いようだ。
妻と子どもを連れて行ったが…炎天下を30分間歩き続けた
キャンプなどのアウトドアを兼ねてフェスを楽しむ人も多い。近藤秀夫さん(仮名・42歳)もそのひとりだが、「あれほどひどいフェス会場は初めてでした」と自身の体験を語ってくれた。
「『キャンプをしながらライブを楽しめる』という夏フェスが、関東で開催されていたので、妻と子どもを連れてレンタカーで向かったんです。駐車場に車を停めるまではよかったですが、そこから会場まで2キロ近くも歩かなくてはなりませんでした。
しかも、道がものすごくデコボコしていて、テントやクーラーボックスを入れたキャリーバッグのタイヤが道中で破損。やむを得ず出店で売っていた1万5000円のキャリーを買いましたが、炎天下を30分ほど歩き続けて、会場に着く頃には家族揃ってヘトヘトでした」
大汗をかきつつ、なんとかテントの設営などを行いライブを見始めたのだが……。
スタッフが誰もいない
「死ぬほど暑いんですが、会場には陰になる場所が全くなかったんです。日中だけでなく、夜は地熱がすごくてテントの中も猛烈な暑さに。とても眠れませんでした。
しかも、隣のテントにいた若者たちが夜通しどんちゃん騒ぎをしていてうるさくて。運営スタッフに言って注意してもらおうかと思ったんですが、巡回のスタッフが誰もいないんですよ。普通、そういうイベントだと緊急事態に備えて、スタッフが常駐するはずですが……。
年に数回のイベントであるフェスでは、スタッフが慣れていなかったり、その場しのぎのルールのみで運営されてしまったりすることもあるのかなと思いました」