――シンプルなので、着こなしも簡単そうです。
八木沢 デザインはシンプルですが、やや襟先が長くて、襟の面積が大きい英国風の襟が上品なアクセントに。わかる人には、“ジョンスメ”だとわかるでしょう。
ジャケットのインナーにしたり、同じニット素材のカーディガンを羽織ったりするのもおすすめ。ほどよくゆったりとしたイージーフィットも今の気分にぴったりです。
結論:高級ポロシャツを買う価値はあるか?
――では、高くても、高級ポロシャツを買う価値はありますか?
八木沢 画家であり、エッセイストでもある小林泰彦さんの本の中にこんな一節があります。
「ポロシャツが気持ちよい季節である。動きやすく、肌ざわりがよく、シンプルなデザインのポロシャツは、さわやかな季節にふさわしい。さわやかシャツのチャンピオンだと思う」(『正しいおしゃれ 男の定番図鑑:コート、ジャケットの着こなしから靴選びまで』主婦と生活社刊)
私もそう思います。中でもL.12.12やISISは、とびきり上品で、着心地も最高なチャンピオンの中のチャンピオン。
決して安くはありませんが、ずっと使えて、着回しもきくので、きっと元が取れると思います。
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やぎさわ・ひろゆき/『原宿キャシディ』店長。アイビー&プレッピーファッションの生き字引。豊富な服飾知識を生かして、接客からバイイング、オリジナルブランドのデザインまでを手がける。誠実な接客を慕うファッション業界人も数知れず。お店の定休日と木曜日以外は店頭に立ち続ける。