フランスのレシピを受け継ぎ、日本の専門工場で生産
――生産国は日本なんですね。
八木沢 現行品はジャパンメイドで、秋田県にあるラコステの専門工場で生産されています。この工場には、ルネ・ラコステさんが作った本国フランス・トロワの工場のレシピが受け継がれていて、30もの工程がほとんど手作業で行われています。品質、雰囲気ともにフランス製に引けをとりません。
――おすすめの着こなし方はありますか?
八木沢 カーディガンやジャケットを羽織ってもいいですが、普通に着るだけでも十分カッコいいと思います。襟とボタン、そして胸のワニがアクセントになるので、一枚で着ても味気なくならないんです。
また、一般的なポロシャツより格段に上品に見えるので、ビジネスウェアとしてもおすすめです。
L.12.12さえあれば、朝、服装をあれこれ迷わなくていい。これがワニ・オーナーの特権だと思います。
英国王室御用達ブランドが作るニットポロ
――ほかにもうひとつ、原宿キャシディで長年取り扱っているポロシャツがあるとか。
八木沢 ジョン スメドレーのニットポロシャツです。1784年の創業以来、素材はもちろん、糸や編み方、仕上げに用いる水にまでこだわってきた英国を代表するニットブランドのひとつ。2013年には英国の女王陛下から、2021年には皇太子殿下(現国王チャールズ3世)から、ロイヤル・ワラント(王室御用達)の称号が授与されています。
――ニットブランドなのにポロシャツが有名なんですか?
八木沢 1930年代から現在まで作り続けられている定番の「ISIS」です。ボディはコットン100%のニット素材。「半袖ポロなのにニット素材?」と思われるかもしれませんが、夏場でも極上の着心地を味わうことができます。
繊維の宝石と呼ばれる希少なコットンを使用
――3万円台後半と値が張りますが、やはり特別な素材が使われているんですか?
八木沢 シーアイランドコットンです。もともとカリブ海の島々で栽培されていたコットンで、その量は全世界の綿供給量のほんの0.0004%ほど。
一般的なコットンの繊維の長さが2cm程度であるのに対し、シーアイランドコットンは5cm以上もあります。そのため、肌触りがカシミアのようにしっとりとしていて軽く、さらに吸湿性や放湿性も兼ねそなえています。
30ゲージのニットもジョン スメドレーの名物です。編み目の細かさを示す単位をゲージといい、数値が大きいほど目の詰まったニットになります。かなりの高密度に編み上げられたニットの肌触りはまるでシルクのようにしなやかです。
軽くて肌触りが気持ちいいので、夏場でもヘビロテで着ています。高級なニットにもかかわらず、自宅で洗濯できるのもうれしいところ。