「年の差婚肯定派というわけではない」
――逆に、メディアだけが“年の差婚”と騒いでいたような感じですか。
友寄 人間、年齢をぶら下げて生きてるわけじゃないし、私も「26歳上の人とつき合ってるぞ!」みたいな感覚でもなかったので、ネットニュースになってはじめて、「そっか、世間から見ると年の差婚だよな」と気づいたくらいでした。
だからといって、年の差婚肯定派というわけでもなくて、やっぱり10代の子との年の差恋愛は私の中ではナシだし、自分自身も20代前半だったときはまだまだ幼かったと思うので、その頃の私に夫が声を掛けてきてたら、きっとナシだっただろうなとも思います。
――一緒に暮らしはじめてから相手の意外な一面を知るようなことも?
友寄 なんといいますか、夫ってあまりクセのない男で(笑)。生活習慣で気になることがあるわけでもないし、私に口を出してくるわけでもないので、住みやすいな、と思いました。
――昭和的な価値観で接してくるとか、亭主関白なところもなく?
友寄 まったくないですね。私が社会常識を知らなくて聞いたりしても、「そんなこと知らないの?」なんて言わず、サラッと教えてくれます。
ただ、周りの男性が昭和世代なので、子連れで遭遇したとき、夫に対して「たまには息抜きでゴルフ行こうよ」とかって言ってるのを見ると、男ならではだな、とは思いますけど、彼自身にそういうものを感じたことはないですね。
夫の年齢は将来の懸念事項にならない
――逆に、西岡さんが年上であることで友寄さんに負い目を感じているようなところはありますか。
友寄 卑屈な感じはないですね。おつき合いする前は年齢のことを気にしてたと思うんですけど、結婚してからは全然という感じで。体力面でも、夫のほうが元気なので、休日は子どもの面倒を見てもらっている間に私が寝たりして、ゆっくり過ごしています。
ただ、外に出ればやっぱり親子に間違えられることはあるんですけど。
――2人で歩いていると、親子に間違われるんですね。
友寄 ありますね。「そりゃそうだよね」って2人でウケてます(笑)。その場限りであれば店員さんとかに言われてもわざわざ否定もしないし、「パパ活」と言われるより「親子」の方が健全だし、全然いいやって。
――26歳上のパートナーとの将来に不安はないですか。
友寄 人間って、年齢順に命を終えていくわけでもないし、若いからといって病気にならないわけでもない。それは病気になって痛感したことです。
白血病になってなかったら、相手の病気や介護を心配していたかもしれませんが、自分が若くして病気をしたことで、先の見えない不安で何かを制限するのでなく、もっと自由に生きよう、と思うようになりました。いざとなったら、夫も子どもも担いで生きていく覚悟があります。
だから、「年の差婚」と言われても、私にとって相手の年齢は懸念事項にもならないんです。
撮影=釜谷洋史/文藝春秋