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 そういえば最近気づいたのは、私にとって弟の存在が、伝えたい欲求をさらに加速させているようなんです。

 ウチの弟はダウン症で、いまのところはまあ何とかうまくやっているけれど、いつ人からだまされるかもしれないし、傷つけられることだってあるかもしれない。私や家族がそばにいないとき、だれが弟の味方をしてくれるのか? と不安です。

 いやもちろん、どうにかするとは思うんですよ。弟は私より性格がよくて明るくて人に好かれるので、本当はこっちが心配する必要もない。だけどやっぱりたまに心配になる。

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 じゃあどうしたらいいか。弟のような人間に対して、味方になってくれる人がたくさんいる社会になってくれたらいちばんいい。そういう世の中が、だれにとってもいいかどうかはわかりませんけど、少なくとも私と私の家族にとってはそれがいい。

 自分のことしか考えてなくて申し訳ないですが、とにかく岸田家の味方を増やすことをこれからも考えていきたい。そのために、私や家族のことをもっと知ってほしい、伝えたいという気持ちが強くなるわけです。

 そうなると、書いたものを発表する場所も、読んでくれた人の反応がすぐ返ってきて、『伝わった』という実感を得やすい、noteやSNSが中心になっていくんですよね」

 

広く読者を得ている理由はどこにあるのか?

 凄まじい速度と分量で書き続けたエッセイが、noteフォロワー8万6千人超、Xフォロワーは25万人弱に届くというのもまたすごい。広く読者を得ている理由はどこにあるのだろうか。

「どうなんでしょう、インターネット上で書くスピード感みたいなものが、自分に合っていたとは言えそうですが。

 幼少時の私は言葉を話し出すのがすごく早かったですし、幼稚園あたりからはずっと同級生とかより学校や塾の先生としゃべるのが好きでした。7歳のとき父の影響でパソコンを始めて、インターネット掲示板に書き込んだりホームページでブログを書いたりするのにずっと慣れ親しんできました。情報の出力がとにかく多くて速かったのはたしかです。

 いまは言いたいことを勢いでいくらでも書いて、それをインターネットを通してみんなにすぐ伝えると、画面の向こうに読んでくれる人がたくさんいるわけで、天職を得た状態と言っていい。こんなうれしいことはないです」

 それほど高速で大量にアウトプットし続けていると、作家の側が消耗し切ったりしそうなものだが……。