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――好奇心を刺激された。

矢沢 やっぱり、日本と比べて海外って信仰心が強いんですよ。タイも信仰心がすごいですけど、ミャンマーは経済とか政治が安定しないこともあって、そのぶん信仰心がものすごくて。

 そういう信仰心がどこから来るのかとか、ちょっとでも理解できたり、触れられたらいいなと思って出家したんです。

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――外国人がカジュアルな感じで出家できるものなのですか?

矢沢 ミャンマーの一番の大都市ヤンゴンだと、観光客用の出家があるんですよ。でも、僕が行った親友の地元はダウェイってとこで、外国人がまずいないローカルを極めた都市で。しかも、出家した寺が山の頂上にあって、「ここにきた外国人はお前が初めてだ」って言われて。で、そこまで行って親友から「外国人だから、やっぱりダメ」と言われて。

 

「国は違えど、気持ちは一緒じゃないのか」とまくしたてたら、「親に聞いてみる」と。なんで親に聞くんだと思ったら、そいつの家は裕福でその寺に寄付してるんですよ。で、親が寺に融通を利かせてくれて出家できることになって。

座禅をサボってるヤツは多かった

――出家するといっても、なにをするのですか。

矢沢 その寺はゴリゴリの仏教寺院で、1日8時間の座禅が当たり前という。朝5時に鐘がゴンゴン鳴って起こされて、1時間の座禅が8セット。説法も聞かされて、ご飯は朝と昼だけ。

 20人くらい出家してましたけど、本職のお坊さんは4、5人で、残りはミャンマーの一般人。一般人の人たちは、家族の女性たちも同行させているんですよ。で、彼女たちが出家してる男たちのご飯を用意したりするんですよ。4月だったんですけど、その時期ってミャンマーの正月でお休みなんです。だから、出家するし、家族も世話ができるんですね。

 

――暇さえあればゴロゴロする自分からすると、1日8時間の座禅はキツそうに感じます。

矢沢 親友をふくめ、サボってるヤツは多かったですよ。僕もサボりたかったけど、寺でたった1人の外国人だからサボったりしたら目立つじゃないですか。だから、大変でしたよ。

 親友なんて、鐘がゴンゴン鳴ってるのに起きないんですよ。「おい、早く起きて行こう」とユサユサしても「めんどくさいから、お前だけ行ってきて」って言われちゃって。しまいには「1日に8回もやる必要ないよ」って言われちゃって(笑)。

 僕も何回かサボりに付き合って、山の途中まで降りてみんなと昼寝しちゃったりしてましたけどね。