PCの操作は、一般的に両手を使って行いますが、空いている足も操作に使えれば、さらに効率がアップするのではないか──そんな考え方をもとに誕生したのが、USBで接続するフットペダルです。車のアクセルのような構造をしており、ここにキー操作を割り当てておくことで、プラスアルファの操作を可能にする逸品です。

 こうした足で操作するデバイスの歴史は意外と長く、筆者が知る限り、USBという規格がメジャーになって間もない2000年頃には、すでに対応製品が登場しています。ラインナップするメーカーは少ないものの、数年単位で新製品がリリースされており、知る人ぞ知るアイテムといったところです。

 今回は、このUSBフットペダルを使えばどのようなことができるのか、実際にどのような割り当てがオススメなのかを、最近発売されたサンワサプライのUSBフットペダル「400-MA212BK」を例に紹介します。

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古くからパソコンを使っていた人ほど、どこかで見たことがあるに違いないUSBフットペダル。足で押すことで機能を実行できます。写真はサンワサプライの「400-MA212BK」

足でキーボードを1つ押せると何が起きる?

 まずは仕組みを簡単に紹介しておきましょう。本製品は、ペダルを踏むことによって、あらかじめPCのユーティリティ上で割り当てておいた操作を実行できる製品です。言うなれば、カスタマイズ可能な巨大なキーをひとつ搭載した足踏み専用のキーボードということになります。

本体外観。今回紹介するのは1ペダルタイプですが、複数のペダルが連なったタイプもあります
足で押すためにサイズを大きくした1キーのキーボードと考えればおおむね正解です

 割り当てられる機能はさまざまです。例えばEscキーを割り当てておき、操作を間違った時にすばやくキャンセルしたり、2つ以上のキーを組み合わせたショートカット、例えば[Ctrl]+[Z]を割り当てておき、直前の操作を取り消すこともできます。またスピーカーの音量をミュートにしたり、マウスで一定距離をスクロールすることもできてしまいます。

どのような操作を実行するかはPCにインストールしたユーティリティで決定します

 ただし登録できる機能はひとつだけなので、例えば音量調整を割り当てようとしても、「大」と「小」、どちらか一方は登録できませんので、それならばミュートを割り当てておいたほうが合理的、といった具合になります。ほかにもブラウザの「戻る」「進む」のような、2つでセットになったキーは、あまり相性がよくありません。このあたり、利用にあたってはセンスが問われるところです。

 なお今回紹介しているのは1ペダル仕様ですが、2ペダルや3ペダル仕様の製品も存在します。もっとも前傾姿勢で使うことが多い一般的なデスクでは、車のシートに深く座ってアクセルとブレーキを踏み分けるのと異なり、複数のペダルを踏み分けるには毎回足を持ち上げなくてはならないため、こうした製品では操作ミスも起こりがちです。基本的には1ペダルの利用にとどめておいたほうがよいでしょう。