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発表会見のあとメンバー全員でお祝いのご飯会

 木村拓哉がSMAPというグループの「エース」であるのは、だれもが認めるところです。同時に「リーダー」は中居正広であり、若くしてNHK紅白歌合戦の司会までこなすなど活躍していました。それでも、ドラマで視聴率40%を稼ぎ出す木村拓哉の存在は、格段に大きかった。

 木村拓哉本人も、自分がSMAPを引っ張っているという認識はあったはずです。それでも自分が結婚したときには、SMAPに助けられたと心底から思ったんじゃないでしょうか。

 結婚を発表した直後のライブでは、メンバーやスタッフがいつも通りに仕事をこなし、きちんと盛り上がりをつくってくれました。発表会見のあとには、メンバー全員が参加してお祝いのご飯会を開きました。緊張感ある対応が続くなか、木村拓哉にとってはほっとひと息つける時間だったと思います。

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中居正広

子を持つ親である木村拓哉は、ほかのメンバーと異なる視点から…

 また当時からSMAPは、メンバーそれぞれが自身の得意分野で活躍しており、そのおかげで「木村拓哉の結婚」だけに話題が集中するのを避けることができた。

 結婚のタイミングでいえば、香取慎吾が「慎吾ママ」のキャラに扮して歌う『慎吾ママのおはロック』が大ヒットし、ブームを巻き起こしていました。これによりSMAPの話題が拡散し、結婚話への批判的な言及をかなり回避できたし、慎吾ママの明るさが結婚をよりハッピーなものに見せる効果もありました。

 だれが全体の設計図を引いているわけでもないのに、SMAPはメンバーそれぞれが、ごく自然に互いを補い合っているところがあります。

 そして、木村拓哉の結婚という出来事がまた、SMAPにプラスの効果をもたらしていきます。28歳で結婚して子どもを持ったメンバーがいることは、グループ全体に深みと厚みを与えたのです。

 たとえば「SMAP×SMAP」の人気コーナー「BISTRO SMAP」で、ゲストとのやりとりで家族の話になったとき、子を持つ親である木村拓哉は、ほかのメンバーと異なる視点から質問や受け答えをするように変わっていった気がします。