東日本大震災のあとには、彼は「買いだめ」をしてしまう気持ちに理解を示す発言をしたことがありました。皆が買いだめをするとモノが行き渡らなくなるので控えようと言われていたなかで、家族のためを思うとついそうしてしまいたくなる気持ちはわかるという。これは明らかに家族を持つ者の視点だと感じました。
木村拓哉の結婚は、その後のSMAPというグループを、より豊かで魅力的にしていったのです。
距離を置いて見えてきた、木村拓哉とSMAPの実像
僕は2024年3月31日をもって、長らく掲げてきた放送作家という看板を下ろしました。
以来、半年近くが経ちます。すこし距離を置いてテレビや芸能の世界を眺めていると、いろんな気づきがあるものです。
SMAPについて思ったのは、世の中は元メンバーたちを、いまだSMAPの一員として見ているんだなということ。一人ひとりがこれだけ多様な活動をして活躍しているというのに、全員「SMAPの誰々」とみなされていて、それは5年後も10年後でもきっと変わらない。
それだけSMAPが巨大な存在だったということなのでしょう。それに、終わり方がスッキリしなかったからというのも、皆がSMAPを吹っ切れない大きな理由になっています。
よく知られる通り、2016年に彼らの番組「SMAP×SMAP」で、テレビの生放送としては異様な謝罪会見がおこなわれることとなり、彼らはそのまま解散へとなだれ込んでいきます。
SMAPは、幸せな終わりを迎えられませんでした。ファンからすればあれで解散と言われても納得できるはずもなく、ついグループの「続き」を追い求めてしまうのでしょう。
たぶんこれから先も元メンバーの全員が、SMAPのイメージを完全に振り払うことは出来ないのではないかと思います。でも、それでいい。無理に振り払おうとせず、自分の一部分としてSMAPを背負いながらやっていくのでいいと思うんです。
木村拓哉さんは今秋、ライブツアーを予定しているそうです。勝手な願望ですが、ライブでは振り切って、SMAPの楽曲ももっと歌ってしまえばいいのに……と思ってしまいますね。