花形が、ジミーの姿を見つける
「てめえら、よくもぬけぬけと……」
ジミーは、レインコートに巻いた日本刀を取り出すと、叫んだ。
「待ちやがれ!」
花形が、ジミーの姿を見つけた。
「なんだ、てめえ、まだこのあたりをうろうろしていたのか」
「なに……」
ジミーは、日本刀を振りかざし、花形に斬りかかった。
佐藤が、とっさにジミーの両腕を押さえにかかった。
吹っ飛び、血みどろに
お蝶が、ハンドバッグを探っている。花形は、てっきり彼女が拳銃を取り出すにちがいないと判断した。
花形の右拳が、彼女の顔面に炸裂した。彼女は、2メートルも吹っ飛んだ。彼女の顔は、血みどろになった。
いっぽう、ジミーは、佐藤に両腕を押さえられながら、何度も斬りかかった。佐藤は、かわしそこなうと、斬り殺される。白刃を避けながら、出足払いでジミーを路上に叩きつけた。
ジミーは、なお日本刀を持ったまま、起き上がろうとした。佐藤は、ジミーにおおいかぶさった。
花形が、日本刀を持つジミーの右手を、右足で踏んづけた。
ジミーは、血走った眼で、花形を睨みあげ、唾を吐いた。
花形は、右足でジミーの右手を踏みにじる。
さらに、左足で、ジミーの頭を蹴った。
ジミーは、歯を剥き出した。
「てめえ、このままじゃおかねえからな」
花形は、わめくジミーの頭と顔を蹴りつづけた。ジミーの頭と顔は、血みどろになった。
花形の靴も、血に染まった。さすがのジミーも、動かなくなった。
人だかりがしてきた。花形と佐藤は、走り去った。
ジミーは、花形に蹴られた傷がもとで破傷風にかかり、12日後に死んだ。花形は、裁判で正当防衛を主張したが認められなかった。花形は、余罪の追及も受け、懲役判決を受け、宇都宮刑務所に服役した。佐藤は執行猶予となった。