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晴れ着を脱がすやいなや、愛撫をしだし…

 人形のようなYさんの遺体から着ていた晴れ着を脱がすやいなや、愛撫をしだしたのだ。

 当時の報道によると、なんと夜8時半から10時半まで、2時間ものあいだ夢中で犯行におよんでいたらしい。

「愛撫」の具体的な中身はさすがに新聞には書かれていなかったが、世にもおぞましい事件である。

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 遺体を××しはじめてから2時間も経つと、さすがにH本もY子さんのことが気の毒になってきたらしい。

 倉庫の横の砂地に埋めて隠すと、H本は家に帰路についた。途中、松林のなかにある井戸で手や足を洗ったあと、何食わぬ顔をしながら11時半頃に家につき、そのまますぐに眠りについた。

知らぬ顔で遺体捜索にも参加

 翌朝になると、大磯町は「死美人紛失」で大騒ぎ。警察だけでなく近隣住民も交えた大捜索がおこなわれた。

 このとき、H本の行動は大胆不敵だ。

 彼は自分が犯人であるにもかかわらず、この捜査隊のなかに混じり、どこだろう?と何食わぬ顔でみんなと一緒に探し回っていたのである。

 しかし、町じゅうをあげた大捜索でもY子さんの遺体は見つからない。

 そこで大磯署は、町内の埋葬人夫をとりあえず全員留置することを決めた。怪しいやつがこのなかにいるだろうから、とりあえず全員集めて片っ端から取り調べるという力技だ。

 H本も留置されることになったが、ここでも彼は知らぬ存ぜぬを貫き通し、否認しつづけた。しかし、別の職員が犯人だとされそうになっているのを見て罪の意識がわきあがり、取り調べから10日目、ついに自白したのである。