1位 河野太郎 756票

 前回の総裁選で1位・岸田首相に迫り、決選投票を戦ったサラブレッドがまさかのトップに。祖父は自民党副総理を務めた河野一郎氏、父は自民党総裁を務めた河野洋平氏と毛並みの良さで知られる3代目は前回の総裁選で党員票は1位、世論調査でも1位を獲得するなど「国民の支持」を集めてきた。一体、何が起きているのか。

1位 河野太郎 ©文藝春秋

記者会見やSNSでの対応ぶりが…

 得票の理由を分析していくと、圧倒的に多かったのが、記者会見やSNSでの対応ぶりへの拒否感だ。

「所管外です、次の質問どうぞ、ばかり言う」(東京都・66歳男性)

ADVERTISEMENT

「絶対に嫌です。自分が苦手な質問にはスルーしたり、考えをコロコロ変えるし、この人かなり上から目線で国民の立場になんて絶対立てないと思う」(大阪府・65歳女性)

「自分のことを批判する意見に聞く耳が持てない人は上に立ってはいけないと思います」(埼玉県・60歳女性)

「Xで自分の都合の悪いコメントをする人にはブロック、疑惑に関してコメントすれば、法的措置をチラつかせる卑怯さ。日本の言論の自由に反する議員」(富山県・42歳女性)

「すぐ怒る」(神奈川県・26歳男性)

 林芳正官房長官と同様に「親中路線」を非難する声も多く寄せられた。弟の二郎氏が社長を務める企業が中国に関連子会社を保有しており、対中姿勢を懸念する「中国のために動き、日本のためにならないのではないかと考える」(福岡県・92歳男性)「親中派の代表格」(神奈川県・72歳男性)といった意見が100件以上に及ぶ(河野氏は2021年に「政治活動に影響ない」と言明)。

「マイナンバーカード」対応への不信感も

 2022年8月に就任したデジタル担当大臣としての評判も芳しくない。反対票を投じたうち122人が「マイナンバーカード」関連の理由を挙げている。

©文藝春秋

「マイナンバーカード普及に強引で独善的な態度に終始したのはいただけない。当初『国民の任意申請』であったはずが、いつの間にか『強制』にすり替えさせたのは政治家・総裁としての器量に欠ける」(東京都・77歳男性)

「私の地元選出議員であるが、ここ最近の傲慢な態度やマイナ保険証の対応、国民目線を考えない強引さに辟易している。このような人物に総理大臣を任せたいとは思えない」(神奈川県・39歳男性)

「昔は河野太郎のファンでした。変容しすぎです。マイナカードですっかり嫌気がさしました」(兵庫県・65歳女性)

 コロナ禍という有事から数年経つが、ワクチン担当大臣としての「突破力」にも懐疑的な声が40票近く寄せられた。少し長くなるが、引用する。

「彼がワクチン担当大臣だった頃、ワクチン接種をたいへん躊躇っていた私は、彼の発言『私が責任を取ります』を信じて接種した。その後体調不良に悩まされ、酷い目にあった。病歴を遡り蓋を開ければワクチン接種を契機に起きた副反応由来と思われた。病状は複雑で書類は煩雑。被害申請などとても進められないが、ワクチン接種推進の離岸流に巻き込まれて大きく健康という名の岸を何年も離れているように感じる。河野大臣の『私が責任を取る』は一体なんだったのか。騙されたとしか思えない。あんな口だけの人を大臣ましてや総理にしてはならない」(兵庫県・46歳女性)

 河野氏は総裁選出馬会見で「有事の今こそ 河野太郎」というスローガンを掲げた。過去の有事対応について、今こそ審判を受ける時が訪れている。

 <「なってほしい人」編とあわせてお読みください