あまりネタバレしすぎない程度にしたいが、この『ジョジョ』第6部はクライマックスで、ここまで基本的に第1部から連続してきた世界に一種の「ガラガラポン」が起きる。これが描かれたのが2003年なのだが、同年に完結したキングの畢生の大作『ダーク・タワー』のクライマックスが、この第6部と似た「ガラガラポン」的結末になっているのだ!
影響を受けた側である荒木氏の壮大なサーガのひとつのエンディングが、影響源たるキングの大サーガの結末を先取りしたと見ることもできる(!?)。もはや影響を自家薬籠中の物としたあまり、キングが憑依したかのように物語が湧き出してきたのか……。
これだけご紹介すれば、荒木氏がいかにキング大好きであるか、そして担当者がいかに荒木氏大好きであるか(そう、週刊誌担当時代に職権濫用で荒木氏のインタビュー記事をねじ込む程度には……)がお分かりいただけただろう。
荒木先生ご本人のコメントを…!
こうなれば、「キング50周年」という祭りのどこかのタイミングで、荒木氏に祝賀のお言葉をいただこうと目論むのは必然ッ……! そんな理屈にもならない理屈で上司を丸め込み、集英社さまの尽力をいただいてコメントを依頼したのである……!
そしてドキドキの数週間を経ていただいたのが、『コロラド・キッド 他二篇』の帯表1・表4に燦然と輝く以下のお言葉! もうご覧になっている方も多いだろうが、改めて記しておこうッ!
50年前のデビュー作『キャリー』を読み直しても、文章は瑞々しいし、古さがない。最新の『ビリー・サマーズ』も引き込まれるし面白い。こうなってくるとスティーヴン・キング氏の書くものは、きっと「天」からというか「神の言葉」なのだろう
おぉぉぉぉ……なんという言葉のセンスであろうか。ズキュウゥゥゥゥンである! おれたちに決してできない言葉遣いをやってのける、そこにシビれる、あこがれるゥ!
……いけないいけない、ちょっと興奮してしまったが、ちゃんと50周年記念刊行の大傑作『ビリー・サマーズ』まで読んでいただいていたというこの律儀さ、そしてキング愛!
『ビリー・サマーズ』上(スティーヴン・キング)
もはや「王」を超えて「神」と化したキング(!?)は過去の傑作群のみならず、「今が最強」であることが、荒木氏のお墨付きをいただいたといってもいいだろうッ! ちょっと何を言っているのか自分でもわからないが、ともかく『異能機関』『アウトサイダー』『死者は嘘をつかない』『ビリー・サマーズ』『コロラド・キッド 他二篇』と、キング50周年記念刊行作品はどれを取ってもハズレなしの傑作揃いだ。
そして今冬には全米100万部、キングが「コロナ禍で最も書きたかった物語」である『フェアリーテイル』が待ち構えている。荒木氏とともに、恐怖の帝王の50周年を祝い尽くそうではないか!