今月5日と10日に2026W杯アジア最終予選が行われ、サッカー日本代表は中国・バーレーンと対戦。それぞれ7-0、5-0で勝利した。

 元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、この試合をどう見たのか。話を聞いた。

W杯アジア最終予選を戦ったサッカー日本代表 ©時事通信社

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2試合とも圧勝した日本代表の課題

――W杯最終予選、中国戦は7-0、バーレーン戦は5-0と圧勝でした。

城彰二さん(以下、城) すごいね。バーレーンは前半、ブロックを敷いて日本にボールを持たせつつ、ラインの上下を細かくやって、うまくプレッシャーをかけていました。日本はボールを動かせるけど、相手の守備が厳しいからゴール前になかなか入れなかったし、連動性も欠いていた。バーレーンにうまくハメられたという感じでした。

――流れを変えたのは、どのシーンになりますか。

 後半2分の2点目ですね。日本は前半の終盤(37分)に上田(綺世)がPKを決めたので、後半の頭から伊東(純也)を入れて追加点を取りにいった。一方、相手は仕切り直して「さぁこれから」という気持ちで入ったと思います。そこで上田に2点目を取られて相手は一気に気持ちが落ちた。

 完全に集中力が切れて、徐々に体力的にも落ちてきた。中東の選手は試合に勝てないとわかると表情やプレーに表れやすい。スタンドのファンも3点、4点取られるともう帰っていましたね。

――2試合とも圧勝ですけど、課題はありましたか。

 ビルドアップのところですね。3バックの誰かがボールを前に押し出していかないといけないんですけど、バーレーン戦ではそういう選手がいなかった。うしろでただボールを持っているだけ。カウンターが怖いというのもあると思うけど、もっと持ち上がって攻撃に参加する姿勢がないと、自陣に閉じこもる相手を崩せない。

 そういう意味では冨安(健洋)とか、フィードがうまい選手が不在なのが大きいと思います。それに、もう2、3点は取れたかなと思います。