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――2試合で12得点無失点は、日本の強さが本物だということでしょうか。

 過去の最終予選を見ても、日本は今回ほど点が取れていない。それに今回のW杯最終予選の他の試合を見ても、どこの国も得点を挙げるのに苦しんでいます。韓国の試合を見ても、オマーン戦でソン・フンミンが1ゴール2アシストを挙げたけど、彼以外に点に絡める選手がいない状態です。

 でも、日本は中国戦こそストライカーが点を取れなかったけど、バーレーン戦では上田が2ゴール、小川が1ゴールを挙げましたし、2列目にも点を取れる選手がたくさんいる。この2列目のクオリティがすごく上がっているのが、今の日本の強さかなと思います。

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――バーレーン戦の2列目は、カタールW杯の時とほぼ同じ面子ですね。

 カタールW杯の時よりも20~30%はレベルアップしています。三笘を始め、欧州の各リーグでプレーしているので、個人戦術や技術が磨かれて、洗練されている。森保さんのチーム作りは、現段階で70~80%は完成してきているんじゃないかな。中盤の構成やアジアの他国の選手の質を比較しても、ちょっと抜けていますね。

森保一監督 ©JMPA

史上最強の日本代表が、世界の強豪国と戦うために必要なこと

――残りの20~30%は、どういう点が足りないのでしょうか。

 最終予選は、アジアの国が相手なので日本からすると格下になるわけです。世界の強豪国と試合した時、アジアの国と戦っている時のような高いクオリティを発揮していけるかどうか。相手に主導権を握られ、劣勢になった時、グループとして個人として、どのように対応していけるか。残りの2年間で世界の強豪国とうまくマッチメイクして、経験を積んでいければ、その差を埋められると思います。

――10月は、同グループで強敵と言われているサウジアラビアとオーストラリアとの試合になります。

 オーストラリアに関しては、試合を見たけど、かなり質が落ちたなと思います。海外でプレーしている選手も少ないですし、世代交代や代表強化など、いろんなことがうまくいっていないことが結果に表れている。対戦相手としては、そこまで怖くはないでしょう。

 サウジは、中国に苦戦したけど、最終的に10人になっても勝っているから、さすがにしぶとい。しかも格下よりも同レベルや格上との試合で良さを発揮するチーム。個々の能力も高いし、日本にとってはアウェイでの試合になるので、ここは予選を戦う上で最初のポイントになると思います。

――スタートから4連勝の可能性はありますか。

 可能性は高いですね。10月の2試合に勝って4連勝すれば、今後に向けてもかなり余裕が出てきます。最初の2試合のフォーメーションは3-4-2-1でしたが、4-3-3や4-2-3-1のシステムや新しい選手の起用のチャンスも出てくる。そうしてチーム全体のレベルを上げていくと、どこまで強くなるのか。今のところ、現在の日本代表はこれまでで一番レベルが高く、最強のチームになっていると思います。

取材・文=佐藤俊