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2作品のキャラの出番が「少なかった」という声も…
また、映画には『アンナチュラル』で自殺を考えていた人物や、『MIU404』でお騒がせだった集団の1人がサプライズで登場する。それぞれが事件を経て、『ラストマイル』の世界で生きている姿が感慨深い。
一部では『アンナチュラル』『MIU404』のキャラクターの出番が「思ったよりも少なかった」という声も聞かれるが、2作を絡めつつも、映画の本筋を決して邪魔しないところが、この制作チームの信頼できる点だろう。決して人気作のスピンオフ作品ではあらず、映画そのものが非常に見ごたえのある社会派エンタメになっていた。
「ラストマイル」という言葉の意味
本作は、塚原監督の「宅配荷物が爆発する話は?」という言葉から始まったという。大企業の正社員と、大企業で働く派遣労働者、大企業の取引先にある中小企業の運送会社、そこから業務委託される下請け配送会社……とあらゆる立場にいる労働者たちの姿が描かれる。そして、さらに下請けである配送会社の委託ドライバーを務める親子が、物語のカギを握る。
演じるのは火野正平と宇野祥平の“Wショウヘイ”。「配送の最終地点から顧客へ荷物を届けるまでの区間」(=「ラストワンマイル」)を意味し、タイトルでもある「ラストマイル」を担うのがこの2人だ。