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「風と共に去りぬ」を感じさせる豪華すぎるお屋敷
邸宅の名前は「スワンハウス」。綿花ビジネスで隆盛を極めたインマン家の邸宅として、イギリスやイタリアの古典的建築様式を取り入れた折衷スタイルの建物だ。1928年の建築と南北戦争後ではあるが、『風と共に去りぬ』を彷彿させる豪奢な雰囲気だ。
それぞれのサイドで建築の趣は異なっており、裏に回れば大きなギリシア風の柱が出迎える。中にはガイドがおり、当時の生活や歴史背景について詳細な解説をしてくれる。
建物は地下にも降りることができ、スワンハウスの建築家が愛用していた18世紀後半から19世紀前半の食器が勢ぞろいしている。その数は圧巻だ。中国の食器に始まり、イングランド、ひいてはドイツのマイセンまで揃っている。
地下の壁一面がきらびやかな食器に囲まれた贅沢な空間で、この食器たちだけで博物館が作れてしまうのではないかと思ってしまうほどだ。
アトランタは近代オリンピック100周年という記念すべき土地であるほか、過去から続く南部アメリカの歴史の香りを今でも感じさせる、新旧折衷の大都市といえるかもしれない。
コカ・コーラのほか、デルタ航空やCNNなど有名企業が本社を置くアメリカ南部経済の中心地であり、『風と共に去りぬ』の世界観そのままの19世紀の雰囲気を残す歴史的な建造物も残っている。
アトランタに立ち寄る機会があったら、その新旧を堪能してほしい。
撮影=文春オンライン編集部
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