東京の空の玄関口といえば、羽田空港か、もしくは成田空港か。どちらにしても、降り立った人はバスか電車で都心に向かう。バスだったら、という話はここでは横に置いて、空港から電車に乗ったらどうなるか。

 羽田空港にはモノレールと京急線の2路線が乗り入れているが、京急線だったらその行き先は、成田空港か印旛日本医大、はたまた、逗子・葉山である。東京都心を目指すなら、成田空港行き・印旛日本医大行きのどちらかだ。逗子・葉山行きの電車は川崎や横浜に向かう人にとってありがたい。

 成田空港に目を向ければ、こちらもJRと京成線の2路線が乗り入れる。都心からやや離れていることもあって、成田空港の電車は特急が中心だ。京成線は京成上野駅に向かう特急スカイライナー、JRなら成田エクスプレスが走っている。特急を避ければどうなるかというと、JRの普通列車はこれまた逗子行きの電車をよく見かけることになる。

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 つまり、羽田だろうが成田だろうが、空から首都圏にやってきたとき、どちらの空港からも逗子という町を目指す電車が走っている、ということになる。いうなれば、空港直結のナゾの町。さすがにそれぞれの空港から逗子まで乗り通す人はあまりいないとは思うが、いったいどんなところなのかは気になるところである。

羽田とも成田とも…“ナゾの空港直結町”「逗子」には何がある?

羽田とも成田とも…“ナゾの空港直結町”「逗子」には何がある?

 ……などと、大仰にはじめてみたが、首都圏に暮らす人なら知っている。逗子といったら逗子海岸、海、湘南だ。夏の逗子海岸は海水浴やウインドサーフィンを楽しむ人たちで大賑わい。京急線の逗子・葉山駅の名前から察することができるとおり、近くには葉山という町もあって、まあとどのつまり夏のリゾート地、というわけだ。

今回の路線図。羽田だろうが成田だろうが、空から首都圏にやってきたとき、どちらの空港からも「逗子」という町を目指す電車が走っている

 が、それで終わってしまってはいくらなんでもつまらない。それに、逗子駅と逗子・葉山駅の間を歩いて乗り換えたことは何度かあるが、きちんとこの町を歩いたことはない。どんな町なのか、改めて歩いてみることにしよう。