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――また、ホスト、QVCでもトップに立たれていましたが、二つの仕事で共通していることはありますか?

城咲 ホストは孤独な女の子が店にやってくるので、満面の笑みになるように帰してあげたい。

 QVCもいい商品なのに行き場がない商品があって、メーカーさんも困ってるとするじゃないですか。でも、城咲仁に商品持ってったら、あの人ストーリー作ってなんとかしてくれるんじゃないか。そう期待されるとゾクゾクしますね。

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 ホストもテレビショッピングも、僕が相手を幸せにする。楽しませる。だけれども主導権は僕が握ってます!ってことを常に意識しながらやってます。

父の町中華『丸鶴』のこと、3年前に結婚した妻のこと

――ところで、板橋の実家のお店についてもお聞かせください。町中華として全国でも有名な『丸鶴』は、お父様が一代で築きあげ、今年で創業58年と伺いました。しかし、お父さまが大病を患ったことで城咲さんがお店に立つ日もあるとか。

 

城咲 あくまで親父のフォローですね。たまに勘違いされるんですけど、店を継ぐわけではなくて、そもそも僕は親父の味を継げないですよ。大病して背中にボルトが入ってる体では鍋を振るのもきついだろうし、僕が店に行って少しでも円滑に回ったらいいなと思って。

――城咲さんは高校卒業後に『丸鶴』の後継問題を抱えつつもバーテンダーの道を選び、お父さまと口をきかない数年があったと聞いています。今、お父さまに対してどんなことを思いますか?

城咲 昔から尊敬してますよ。口をきかない時期もあったけど、親父の言葉を聞いて腐っていた自分から脱したこともあったし。それに、僕だったらあんな大病するくらいならとっくにやめてる。自分にはできないような偉業を成し遂げてますから。親父を評価することはできないですけど、少し休んでほしいなっていう気持ちと、本人はやめたいって言ってるのに『丸鶴』60周年は迎えさせてあげたいなっていう、僕のなかで矛盾と葛藤と戦ってますね。

 

――また、2021年には妻・加島ちかえさんと結婚されましたが、冷凍食品をはじめたのも奥様からの一言がきっかけだったそうですね。

城咲 「どうやったら丸鶴の味が残せるの? あなたしか残せる人いないよ」って言葉をくれたんです。結婚したばっかりだったので、いきなりうちの家族の話を持ち込んでも…と思っていたら、「何言ってるの? 私たち家族でしょう」って。ありがたかったですね。