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「イケメンじゃないのに、奢ってあげたくなっちゃう」伝説の歌姫・戸川純が語った「ホストに向く人・向かない人」の差

『戸川純の人生相談』 #1

genre : ライフ, 社会

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 ホストに向いている人・向いていない人の違いとは? ロックバンド・ヤプーズのボーカルを務め、女優・歌手としてカリスマ的な人気を誇る戸川純さんと、同バンドのキーボード・山口慎一さんがお答え。

 2人が始めたYouTubeチャンネルを書籍化した『戸川純の人生相談』より一部抜粋してお届けします。(全2回の1回目/後編を読む)

「会社を辞めてホストになりたい」――そんな相談に戸川純さんはどう答えた?(画像:戸川純YouTubeチャンネルより

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会社を辞めてホストになりたい

<ペンネーム「脱サラ君」の相談>

 僕は20歳のサラリーマンです。職場はとても堅く、いわゆるブラック企業のようなところで、気が休まるときがありません。そこで、思い切って会社を辞めようと決心しました。

 

 以前キャバクラでチヤホヤされて、とても良い気分になったので、新たにホストクラブで働きたいと思っています。学生時代は結構モテたし、イケメンの部類だと思います。人を楽しませることにも自信があります。

 

 学生時代は茶髪の少しロン毛で、前髪はM字バングでした。また、源氏名は「深夜」にしようと思います。もちろん一抹の不安もあります。どうか後押ししてくれるような言葉をちょうだいできたらと思います。

戸川純(以下、戸川) うーん、私にこれを聞かれると、後押しというか前倒し……。なんて言いましょうか。脱サラ君! 「ちょっと待った!」みたいなことは言いませんけど、夜のお仕事をラクに考えちゃってるんじゃないかな? きっと厳しいお仕事ですよー、思ってるより。

山口慎一(以下、山口) 水商売はそんなにラクではないんじゃないかなという気がしますねぇ。サービスを受ける側じゃなくて、サービスする側ですからね。

戸川 キャバクラでチヤホヤされたときに楽しかったから、俺もホストになって楽しい職場で……みたいに考えているんでしょうね。でも、ホステスさんもホストさんもお仕事ですからね。

山口 みんなビジネスでやってますからね。

戸川 私が23歳くらいのときかな? レギュラーで出ていた連ドラ(※1983年にテレビ朝日で放送された『あとは寝るだけ』)があったんですよ。堺正章さんが、私とか柄本明さんとかレギュラー陣を連れて、銀座の高級クラブに連れて行ってくださいました。会員制の、本当に高級な感じのところ。そこで私の横についた女の子が同じ歳だったんですよ。その子が「芸能界って大変なんでしょう?」って聞くから、「いやぁ~」って煙草を出したら、シュボッて火を点けてくれたんです。

 私が煙草をプカーッてしながら、「このお仕事だって大変でしょう?」って言ったら、「まぁ、いろいろねぇ」って。それで私が「どんな仕事でも大変じゃない仕事ってないんじゃないかなぁ」って言ったら、「そうですねぇ」なんて言われて、そんな話をしてたんだけど、そのときハッと気づいたの。私が煙草をくわえた瞬間、ホステスさんはすかさず火を点けた。「世間話をしてるように見せておいて、この人は今、仕事中なんだ!」って思いました。

山口 職場ですよね。

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