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 三段リーグ最終日の2日前にも重要な試験があったそうだ。医学部の試験がどれほど大変なのかは想像の範囲を超えているが、そのような状況で三段リーグを勝ったのは、ベタな表現しかできないが、途方もないことだと思う。

 棋士としての目標を聞かれて「棋士になったからには指し手で注目される、強い棋士になりたいです。表裏なく色々な人と接して、獺ヶ口とはこういう人だと理解してもらえたらいいですね。憧れは米長邦雄先生です。将棋はもちろん、人間的にも魅力的な棋士だと思います」と語った。

「プロ棋士に対等に話してもらえるのがうれしかった」

吉池隆真新四段

 吉池隆真(よしいけ りゅうま)四段は、指す将棋と雰囲気から「右玉イケメン」などというあだ名もついているが、実力はすでに折り紙付きだ。三段として参加した昨年の第13期加古川青流戦で決勝まで勝ち進んだ。決勝三番勝負では昨年度に8割5分の高勝率を記録した藤本渚五段に敗れたが、将棋に対する姿勢が評価されたのか、永瀬拓矢九段や佐々木勇気八段など、多数のトップ棋士から研究会に誘われている。藤本五段とも練習将棋を行う間柄で、三段リーグ最終日には関西から藤本が応援にかけつけていた。

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 共同インタビューで吉池は「藤本さんとはこの2年ほどVSなどで教えていただき、その間に活躍する姿を見たので、自分もそういう舞台に立ちたいと思いました。藤本さんは謙虚で優しい方です。自分は同世代にプロがおらず(吉池が04年、藤本が05年生まれで、04年生まれの棋士は吉池が初)、プロ棋士に対等に話してもらえるのがうれしかったです」と語った。

藤本渚五段(左)と吉池隆真新四段

 目標と尊敬している棋士については「力戦を指していて、人に見てもらえる、引き付ける将棋を指していきたいです。尊敬する棋士は永瀬先生です。研究会に誘っていただき、この1年間に色々吸収できました」。

プロとしての初仕事「100周年パーティー」について

 吉池と同じく永瀬研に参加している斎藤明日斗五段は「まじめな好青年で、研究会でも右玉です」と言う。続けて「彼の登場でS4(※イケメン棋士4人組)の地位が危なくなりましたね」と笑った。

 また、佐々木八段との研究会に参加している棋士から聞いた話によると、佐々木八段は振り飛車対策のためにその研究会を立ち上げたそうだ。その中で右玉を好む(右玉は居飛車の作戦である)吉池がメンバーに選ばれたのは、彼の棋才がどれほど評価されているかの傍証であると思う。

 獺ヶ口と吉池のプロとしての初仕事は、昇段を決めた翌日に行われた日本将棋連盟100周年パーティーの参加だった。100周年パーティーについて聞いた。