獺ヶ口「100周年イベントは色々な人に声をかけてもらい、とても嬉しかったですが、それと同時に、前日までリーグを戦っていた身として、不慣れな場であることをひしひしと感じました。ファンの方から、写真撮ってくださいと言われて、写真に写ったりしたことはこれまでの人生であまりなかったことなので、驚きました。逆に、あるファンの方3人組に写真をお願いされて一度はOKしたのに、周りに多くの人がいたので写真を一緒に撮れなかったこともあり、その人には少し申し訳なく思っています」
吉池「昇段が決まった次の日だったこともあり、前日とのギャップに驚かされていました。次の日にあそこまでの人数の方々にお祝いのお言葉を言っていただけるとは思っていなかったので、嬉しかったです。イベント内ではクイズなどのエンタメ性もさることながら、ファンの方々との交流も印象に残っており、本当に歴史的なイベントに来れたんだなと感動していました」
プロになっても変わらず、気を引き締めて
そして、改めてプロとしての意識を聞いた。
獺ヶ口「昇段が決まってから今日までの過ごし方で変わった点はほとんどありませんが、プロになって思うのは、まず初対局に勝ちたいということですね」
吉池「プロ入りが決まってからも、基本的にいつもと変わらず研究会やVSを行う生活でしたが、その後にだらけてしまったりということはあったので反省しています。日本将棋連盟HPの棋士一覧に自分が追加されていて本当にプロの仲間入りをしたんだなと実感しました。ここから対局などの仕事が入ってくると思うので、気を引き締めてやっていきたいです」
二刀流棋士・糸谷八段「個性ある棋士になってもらいたい」
後日、獺ヶ口新四段の兄弟子である糸谷哲郎八段に話を聞く機会があった。糸谷八段も大阪大学へ進学し、大学院の修士課程を修了した二刀流の棋士であることは知られている。100周年パーティーで一緒になり、おめでとうを言ったという。
「最近の三段リーグは皆がハイレベルで、特に今期は競争相手も負けなかったので怖かったでしょうね。それでもいい成績を上げて四段昇段できたのはよかった。ますます忙しくなると思いますが、大学のほうも含めて頑張ってほしいです。他の方にはできない道を選ばれたので、個性ある棋士になってもらいたいですね」
新四段の今後に注目である。
写真=相崎修司