――普段はおふたりで飲むことはないんですか?
塚本 僕がお酒飲めないのもあって飲みに行くことほとんどないんですけど、昨日だけは。佐々木君も、もちろんコントやってるから悔しいと思うのに。でも「そういう悔しさが本当に一ミリもなく、心からよかったって思った」って言ってくれて。
溜口 絶対悔しいはずだもんね。
塚本 だって、うるとらブギーズだってマジで惜しかったし。準決勝でメチャクチャ面白かったので。だから佐々木くん自身もいろいろ思うかなと思ってたみたいなんだけど「よく分かんないタイプの優勝の仕方したし」「なんか転がり込んできた感もちゃんとあったし」って。
――確かに最後あんなダメ出しされるチャンピオンは見たことない(笑)。
塚本 マジでないですよ、あれ(笑)
溜口 ほんとにそう(笑)。らしいっちゃらしいなっていう感じがしますけど。きれいな終わり方じゃない。
コント師の1年は早い
――最初にキングオブコントの決勝に出られたのは2011年。
溜口 はい。なかなか時間かかりましたね……。
――今回のインタビューにサブタイトルを付けるとしたら「あきらめない強さ」だなぁと。だって、まず決勝に出るのが大変じゃないですか。それを何回も。
溜口 いやー、どうなんですかね。でも、考えたら、コント師の1年って早いんですよね。
塚本 賞レースもキングオブコントだけなので、それめがけて「また1年始まるか」の繰り返し。
溜口 キングオブコントが10月に終わって、でも翌年の頭ぐらいには1本はいいネタが出来ていてほしいんです。精神的な余裕がそこで生まれるから。
「いつ売れるんだよ」「どうせ売れないだろ」と言われ続けた
――ほぼオフなしじゃないですか。
溜口 オフなしなんですよ。ずっと賞レースが続いてる感じなので。だから「あきらめない」というよりは1年が早かっただけでね。
塚本 そうだね。
溜口 あとは、(南キャン)山里さんやオードリーさん、三四郎さんたちが気にかけてくれて、番組ディレクターの佐久間(宣行)さんとか板川(侑右)さんとか。みんながすごいちょっかい出してくれてたので、キングオブコントで落ちてもこれだけの人たちが言ってくれるなら、まだ目はあるのかなって。
塚本 ねばれる要因にはなったよね。
溜口 「いつ売れるんだよ」ってずっと言われながら使ってくれていたので。
――たしかにコントが面白い、キャラクターもお話も面白いし素敵だし、一体いつ売れるのか……でしたよね。
溜口 でも「どうせ売れないだろ、お前らなんか」っていうことも同時に言われてますから。まさか優勝するとはです。
塚本 2017年から2021年の、5回も準々決勝止まりが続いたときは、かなり心労は来てました。「結構ウケたけどな」って思いながら落とされた時は、本当に俺ら必要とされてないかもって。ちょうど第7世代もやって来て「何をどうやっても無理じゃん」みたいな。
――どうやって心を持ち直したんですか?