今年でラストイヤーだと考えていた
塚本 事務所の先輩のザ・ギースさんが、僕らなんかより全然芸歴も上なのにアスリート体形を保って走り続けているんです。こんな鉄人が目の前で走りまくるなら、ついていくしかないですよ。
溜口 ギースさん、毎年違うことやってるんですよ。
塚本 何をがむしゃらに、若手に混ざって。あの存在は本当に大きい。
溜口 でもリアルな話、今年でラストイヤーかもとは2人の中で考えていましたね。
――そうだったんですか?
塚本 そうですね。
溜口 「まだ出るんですか?」みたいなことを後輩にも言われていて。去年7年ぶりに決勝に返り咲いて、それでもう十分ちやほやされたじゃないですかと。
塚本 特に去年は「よし、優勝するぞ」って気持ちで臨んでいたということもあったので。
溜口 「7年ぶりに出て、ダメだったじゃないですか」っていうのも、一部でちょっと感じてたんですよ。お客さんからも芸人さんからも。だから今年終わったらちょっと一回休もうかみたいな話はしてたんですよ。
――「枠空けてくださいよ」みたいな圧を感じていたんですね。
塚本 本当に。まさに。
溜口 われわれだってそうやって新しいところに入れさせてもらってきたので、同じ境遇を考えると、何も言えないです。
――じゃあ今年はめちゃめちゃプレッシャーがかかっていたのでは?
溜口 それが、かかってなかったですね。
塚本 今年はかかってないなー。
溜口 何なら去年のほうが。マジで狙ってたんで。いいネタできたし。去年は1本しかできなかったですけど、2本目に今回のドングリのネタをやる予定でした。
――ああ。
溜口 とんでもない強い2本できたぞって思ってたんですけど、やっぱりいつもどおりの、決勝では振るわない、中途半端な結果になっちゃってたので。
塚本 だから去年に比べたら今年は「行かせてもらえたら好き勝手やらせてもらいます」みたいな気持ち。ダメ元の精神。
――あきらめたわけではないけど、いったん考え方を変えたわけですね。
賞レース以外でもちゃんと頑張らないと
溜口 賞レースよりも、芸人人生のほうが長いので。だから賞レース以外でもちゃんと頑張らないとというところはあったかもしれないですね。
――賞レース以外というのは?
溜口 テレビとか、単独ライブとか……賞レースにとらわれすぎてもダメだなと。
――じゃあ、今までの決勝の中では今年が一番リラックスして臨めた。
塚本 マジでそんな気がします。
溜口 ドングリの後半の、ずっと間を使ってしゃべらない時間も、意外と冷静にできましたし。
――ドングリで会場が引き込まれているのを感じました。10番目でよかったなとも。ドングリ拾うのも大変そうですし(笑)。
溜口 確かに(笑)。