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――モノマネをやめろと?

元木 そうです。しかもかなり怒っていらして、ちょっと過激なことも言っていたみたい。そしたら当時のマネージャーさんがなぜか折り返し先の番号を聞いてきて「元木さん、かけてもらっていいですか?」って。

クレームを入れたファンに直接電話して「申し訳ございません」と…

――ええ!? かけたんですか??

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元木 電話しました。俺、コールセンターのバイトもしてたんで、謝罪はちょっと慣れてはいたんですけど。お客様対応係でずっと電話を受けていたので、まずは「申し訳ございません」と。

――コールセンターのバイトがそんなところで役に立つとは……。

元木 はい。そういうことにも対応している木村拓哉だと(笑)。クレーム処理も自ら行うような、そういう環境で過ごしてきてます。

 

――でも直接クレームを聞くなんて、しかもだいぶ過激なこともおっしゃっていたというファンの方に。メンタルは折れなかったですか。

元木 ただ、ファンの方の気持ちに立ったときに、モノマネを許せない部分というか、「私が拓哉を育てたんだ」って考える人もいれば「私の木村さん像を汚さないで」とか、「拓哉はモノマネとかされたくないのでは」とか、みなさん真剣に木村さんのことを思った上での批評なんです。それはもうしょうがないかなという。

 お気持ちはわかるんですけど、こちらとしてはただ憧れさせてくれという感じでして。芸人としてメディアでやりたいという思いがあるので、ちょっと木村さんのモノマネで出させてもらいますが、すいません……という気持ちです。

 

真剣に謝ったら「もういいです。やってください」

――ご自身もファンだからこそ、ファンの方の気持ちもわかる。実際にお怒りのファンの方とはどのようにお話しされたんですか?

元木 「おっしゃるとおりでございます」という。だって言ったらもう「おっしゃるとおりでございます」なんですよね。ファンの方が怒るのはそりゃそう。申し訳ない。それでもちょっといろいろありまして、みたいな。あのときはほんとドキドキしましたよ。もう何回も予行演習して。

――一番びっくりしたのはそのファンの方ではないかと。

元木 まあ、そうでしょうね。「ほんとにかけよったんか」と(笑)。でも、真剣に謝ったらその方も許してくれて「もういいです。やってください」と言ってくださいました。

撮影=佐藤亘/文藝春秋

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