閉鎖病棟を出てから、心の痛みを伴う失敗も…それでも行動し続ける理由
――行動することで失敗を伴うこともあるかと思いますが、そこに怖さは感じませんか?
糸井 今は、人生は失敗しなくちゃ面白くない、予定調和の人生じゃ物足りないと思っています。アクシデントや失敗が続くこともあるけど、その先に成功があるというか。
閉鎖病棟を出てから、心の痛みを伴う失敗もしてきました。それでも諦めず行動したことで、就職したり大学を卒業したり、本を出すこともできた。そういう経験を積み重ねたからこそ、失敗の先に成功があると思えるようになったのかもしれません。
――まずは失敗を恐れずに行動することが大事。
糸井 行動したあとに何を感じるか、何を考えるかが大事なんじゃないかなと。行動して体験した人にしか感じられないこと、言葉にできないことがありますし。まずは何かに取り組むことで、過去の自分を振り返ることもできるのかなと。
あとは、諦めないで何かに取り組んでいる人のところに、人が集まってくるような気もしています。私自身、行動を起こしたことで、助けてくれる人にも巡り会えたので。
――今後、何か取り組みたいことはありますか。
糸井 今は自費出版した書籍を商業出版するのが目標です。もし評価していただけるのなら、より多くの人に届けたいと思っています。そしてもし印税が発生したら、そのお金を引きこもりの支援や活動費にしたいです。
撮影=山元茂樹/文藝春秋