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松川が出版業界を渡り歩く姿は、まさに日本の出版文化の変遷を映し出している。「市民公論」から始まり、作家が作家のために作った雑誌「文學四季」に招かれ、また新たな潮流を作る。侃々諤々の議論を交わしながら、雑誌が作られていく様が活写される。
堂場さん自身は“めんどくさい作家”なのか?
クセの強い作家も相手にし、原稿を受け取るために奮闘する姿が描かれるが、堂場さん自身は作家と編集者の関係をどう見ているのか?
「僕自身は作中のようなめんどくさい作家ではないと思っています(笑)。編集者には多様であってほしいし、その編集者がなにを求めているかを見て、合わせるというのが自分のスタイルになっているのかもしれません。
今作は、今までに比べて明るい話になりました。物語の終わりも、描き方も、少し変化してきたのかもしれません。それが時代の求める変化なのか、僕自身の考えが変わってきているのかは分かりません。このメディア史小説は、今後の展開もすでに着想があるので、ぜひ引き続き追ってもらいたいです」
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堂場瞬一さん本人による朗読も!
「本の話Podcast」からお楽しみください。