「お前ら占い師が言いそうなことは大体同じだから、俺らが当てるってことだよ」

 別の番組だと聞いていた島田秀平は、それが『有吉クイズ』だとわかって混乱。本当の企画内容を説明されても頭に入ってこない彼に、有吉弘行はそう端的に趣旨を言い切った。それを聞いてようやく意図を理解した島田は当然の反応を返した。

「最低の企画だな!」

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 有吉の占い嫌いは有名だ。たびたび公言している。もちろん、そのターゲットに島田秀平を選んだのは、自身のラジオ番組にも呼び、直接「インチキ」扱いしながらも、島田がそのイジりに対してお笑いで返してきたという信頼関係があったからだろう。

有吉弘行 ©時事通信社

 島田は、そんな企画に使われるとは知らず、事前に有吉とゆうちゃみの手相を占っている。そこで島田がどんなことを言ったのかを当てるクイズだ。解答者は有吉、ゆうちゃみの他、霜降り明星・せいや、銀シャリ・橋本、ヒコロヒー。ヒコロヒーも『キョコロヒー』(テレビ朝日)で、「わし、芸人から占い師になった奴全員信用してない!」と島田本人の目の前で言い放ったことがあるので適任だ。

 まず、ゆうちゃみへの占いを予想していくと、もっともイキイキと答えを出していったのが有吉だ。「ギャル線がありますね」「覇王線がある」「次お付き合いする男性に悪い影があります」「2025年は『風』の年だから新しいことを始めるにはチャンスかも」といかにも言いそうなことを次々とあげていく。これには他の解答者たちも「なんでそんなにうまいの?」「占い好きやん、一番スピリチュアル」と驚きを隠せない。

 正解発表、即ち実際の占い結果を聞くときも「占い聞く時のリアクションじゃない」と島田が嘆くように「言う、言う!」などと反応するのが面白い。「思った以上に全員に当てはまることを言うんだなあ」と痛いところをつく有吉。そして自身の占いを予想するときも「ソロモンの環」「フィッシュ線」などと誰よりも“専門用語”に詳しい。さらに、島田が言った注意事項「『?』に注意。なので『?』をやると良い。たとえば『?』さんと一緒に何かやると良い」の穴埋め問題では、なんと一発で3つすべてを当てるという奇跡。

 そこから見えてくるのは、有吉は「なんとなく嫌い」では済まさないということだ。有吉はきっと嫌いなものに対し、なぜ嫌いなのか自分で咀嚼するためにちゃんと知ろうとしているに違いない。それは本来、批評する≒イジるときに不可欠な態度だが、とかく人は一度嫌いになったものには近づかないし、そもそも漠然としたイメージで嫌いと判断してそのままにしがち。対して有吉はそれを怠らない。だからこそ、彼の言葉には説得力があるのだ。

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『有吉クイズ』
『有吉クイズ』テレビ朝日 日 24:25~
https://www.tv-asahi.co.jp/ariyoshiquiz/