大卒後に大手電機メーカーに就職して順風満帆だった男性。勤務するうちにうつ状態に陥り、退職。それ以来、20年以上働くことができない。50歳になった今、生活は82歳の母親の年金などが頼り。しかし他界すれば、その命綱も切れる。不安になった男性がとった起死回生の作戦とは――。
20年以上稼ぎがない50歳息子…82歳母亡き後、自分はどうなる?
埼玉県在住の佐々木雅彦さん(仮名、50)は1年前に父親を亡くした後、母親(82)と二人で生活をしています。雅彦さんはうつ病を抱え長年ひきこもり状態にあるので、親子二人の生活費は年金収入だけが頼りです。
「いつまでも母親の年金収入をあてにすることはできない。もし自分一人になったら、生活費はどのように工面すればよいのだろうか?」
そのような不安を覚えた雅彦さんは、母親と二人で筆者に相談することにしました。
■家族構成
母親(82)年金生活者
雅彦さん(50)無職 障害厚生年金3級を受給
※兄弟姉妹はいない
■収入(月額)
母親 17万円(老齢年金および遺族年金)
雅彦さん 5万1000円(障害厚生年金 3級)
合計 22万1000円
■支出(月額)
基本生活費 16万円
自宅の固定資産税 8000円
※上記以外に使途不明金や特別支出が年間50万円程度ある
※雅彦さんの国民年金保険料は、雅彦さん自身が支払っている
■財産
母親 預貯金 3600万円
自宅土地 2500万円 母親名義
雅彦さん 預貯金(会社員時代の収入から) 500万円
雅彦さんは大学を卒業するまで、特に大きな問題もなく過ごしてきました。大学卒業後は大手電気メーカーに就職し、それを機に一人暮らしを始めました。
仕事は営業で、家電量販店の各店舗に行くため車を使用していましたが、移動距離が100kmを超える日も多く1日7時間以上車で移動することもあったそうです。高速道路での移動も3時間から4時間近くになることもあり、運転中はずっと緊張状態を強いられていました。