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 ノスタルジーは強い。HD-2D版『ドラクエ3』は過去の、それも約36年前の思い出に手を加えようとする作品なわけで、不満をなくすほうが難しい。違う層にアピールすることを考えると、ある程度の反発はあって当然ともいえる。違いは些細に見えても、それが偉大な国民的RPGに対する否定的な意見とも捉えられかねない。

「ドラゴンクエスト12」はどうなるのか

 何より、「ドラクエ」シリーズを続けるのであれば、今後は変化を絶対に避けられないのである。

2025年にはHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』が発売予定。しばらく「ドラクエ」を懐かしむターンが続きそうだ。画像は任天堂公式サイトより

 残念なことに、「ドラクエ」シリーズのキャラクターデザインを担当した鳥山明氏、サウンドを担当したすぎやまこういち氏は既に亡くなっている。堀井雄二氏は現役で70歳のいまも引退は考えていないようだが、次の世代へバトンタッチせざるを得ないときがいずれ来る。

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 変化には痛みが伴う。日本でコンピュータRPGを広めた「ドラクエ」シリーズともなれば、その立ち位置を少し変えるだけでも違和感を覚える人が出てくる。ましてや保守的なRPGを求めるファンも多いとなれば、HD-2D版『ドラクエ3』程度の変更も不満となるわけだ。

 現在は『ドラゴンクエスト12 選ばれし運命の炎』が開発中だが、これがどういった方向性の作品になるかは注目を集めるだろう。保守的で古典的なJRPGとして突き進むのか、それとも世界でも受け入れられるJRPGを目指していくのか。いま国民的RPGの転換点が近づいているのだろう。