相手の愛情を試し、自爆してしまった過去
――4度目の結婚ということですが、事実婚の選択肢もあった?
長谷川 海外によく行っていたので、事実婚だと事故とか何かあったときに連絡が取れなくなる可能性もあるし、飛行機事故でお互い死ぬようなことがあって死体安置所でバラバラにされるのも嫌だったんです。
あとは、彼のアートマネジメントをする上で、彼と同じ苗字の方が業界素人の私としてはやりやすい、という理由もありました。
――3回離婚したことで、「4回目はまだ?」と失礼なことを言われたことがあるそうですが、今回の結婚はこれまでとは違うなと感じますか。
長谷川 本当に皆さん、失礼ぶっこきでしょう(笑)。でも、それはありますね。結局これまでは、誰とお付き合いしても結婚しても、最終的には「私なんて愛される資格がない」というところに行き着いてしまって。
そうすると相手を疑い始め、相手の愛情を試しはじめ……。
――「愛情を試す」って、たとえばどんなことを?
長谷川 ケンカした時、大げさに「別れようか」って言ってみるとか。あと、家出してみたり、カードで買い物してみたりね。それでも追いかけてくれるか、引き止めてくれるかというところで、相手を試すんです。
でも、結局自分で自分を許せてないから、相手がどんなに寄り添ってくれたところで自爆するという感じで。
自分という人間には価値がないという思い
――自分を責める理由が何かあった?
長谷川 1回目の結婚の時、私は専業主婦だったんですよ。当時まだ25歳で、できることもない、仕事もない、お金もない状態で離婚して大きなダメージを受けまして。その時のことをずっと引きずっていて、自分という人間には価値がない、みたいな思いをずーーっと抱えていた感じですね。
――今のパートナーと出会ってその思いがなくなった?
長谷川 アーティストって、何もしない時間がいっぱいあるんですよね。デスクで何してるのかなって覗き込んだら、ぼーっとTwitter(現・X)見てるだけだったり。で、彼の実家に一緒に帰省したときも、その何もしない彼を家族はすごく愛しているんですよね。
その時、稼がなくても、家事をしなくても、何もしなくても愛されるのか、これでいいのかと思って。じゃあ自分も、「洗い物したくありません」って言ってみよう、みたいな感じで徐々に素の自分を出していくような感じで。
ただ、日本にずっといたら続いてなかったかもしれないですね。