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皇室の理想的な結婚とは

 林 愛子さまのお話も出ましたが、私たちが皇族の結婚をあれこれ言うのって、お世継ぎの問題に深く関わってくるからじゃないですか。

 小田部 それが大きいですね。僕はもっと早く女性天皇を認めておけばよかったと思います。眞子さまが婚約なさる前に決めておけばもっと安定したと思いますが、こうなるともう愛子さま頼みですよね。

 林 本当に。私たちの希望の星です。悠仁さまのもとへお嫁さんがくるのか、さらには男の子が生まれるのか心配事は絶えませんが、皇室の理想的な結婚ってなんでしょう。

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 小田部 眞子さまのことでわれわれは敏感になりすぎていますが、本来はご本人同士が思い合っているのが一番ですよね。それから、経済的に安定していて社会的にも信頼されている家がいいと思います。皇室の結婚においては、やはりある程度事前に調査をし、候補を挙げて自然に会う回数を重ねていって……ということを、周りが配慮した方がいいでしょう。今の上皇陛下も天皇陛下もそうでした。

 林 慧さんなんかそうですけど、そういう家の方はきちんといますからね。商社勤務とか学者さんとかもいいかも。ね、先生?

 小田部 学者、いいんじゃないでしょうか(笑)。あまり政治にも絡まないですし。

 林 長く仲人おばさんをやってきた私としては、そういう中から容姿端麗の方とちょっとお見合いさせれば、まあそんなに外すこともないと思うんですけど。

愛子さま

幸せな結婚なんてない

 小田部 幸せな結婚って、本当に難しい。

 林 庶民だって、幸せな結婚なんてないですからね(笑)。

 小田部 そうそう。長く一緒にいると、ときに嫌になります(笑)。だから本当に大切なのは、「この人となら一生ともに苦労できる」という人と一緒になることなんじゃないでしょうか。恰好いいからって結婚すると飽きちゃう。特に皇族はちょっとやそっとのことでは離婚できませんから、慎重に事を進めないと。

 林 「李王家の縁談」の構想は5年前くらいからありましたが、奇しくも今の皇室問題を予言するかのようなものになりました。今の皇室に伊都子のような“縁談おばさん”がいればなぁ。

 小田部 のちのちの皇室の安定を考えると、佳子さま、愛子さま、悠仁さまのときは、後になって困ったと言わないぐらいには相手を知ってから婚約を認めたほうがいいでしょう。眞子さまの場合は、少しそれが早すぎたという気がしますね……。

李王家の縁談 (文春文庫 は 3-65)

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林 真理子

文藝春秋

2024年12月4日 発売