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広島に帰るのかな、という空気を感じたこともある

――民生さんと初めて顔を合わせたあと、プライベートで食事をするような関係になっていったということですよね。

藤井 しょっちゅう会うわけじゃないけど、「たまには飲もうよ」って電話したら、「行こう行こう」ってたぶん言われると思うし、俺も同じように言うと思う。

――おふたりの会話はどんな話になるんですか?

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藤井 このあいだのお好み焼き屋とか、どんな話をしてたっけな? 「この俺がこんなに飲まなくなった」って自慢してた(笑)。「もういい加減ステージで飲むのやめなよ」とか、俺が言って。

 やっぱり飲んでたら、意外な一面を知ることができるよね。プライベートの話もするし、わりと健康の話もして。いっときは広島に帰るのかな、っていう空気を感じたときもありましたよ。広島に戻って仕事をするつもりなのかな、みたいな。結局はそんなことなかったけど、そのころは釣りも好きだったし、その辺のバランスがはたから見てすごくいい感じに見えるよね。なんか楽そうに生きてるなって。

 

率先して表に出るタイプではなくても、周りがそうさせなかった

――民生さんもフミヤさんも、仕事と趣味をどちらも楽しんで、自由にやっているように見えますよね。

藤井 まあ自由にはやってますね。でも民生くんは下の世代のミュージシャンが憧れるような存在になってるから、いい立ち位置なんだと思うね。

――民生さんがそうやって下の世代に慕われる理由は、どんなところにあると思いますか?

藤井 いい加減そうに見えるところが、逆に懐の深さを感じさせるんじゃない? 同世代の他のミュージシャンより、とっつきやすそうでしょう、民生くんのほうが。めっちゃシャイなんだよね。そのシャイさをごまかすためにいつも冗談言って、笑ってみたいなところがあって。

 率先して表に出るタイプではないけど、周りがそうさせなかったんじゃないですか。ユニコーンの元マネージャーで、SMAの会長だった原田(公一)さんがどんどん表に出すようにした感じだと思うよ。みずから前へ出ていこうとするタイプではないから。

 さらにまた陽水さんとつるむようになったことで、陽水さんのエッセンスが民生くんに入っていった。それはそれで民生くんらしいものになったと思うけど、その辺でいまの奥田民生ができあがったような気がするな。

©三浦憲治

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