デビュー40周年ツアーを終え、62歳になった藤井フミヤには3歳年下の奥田民生を“うらやましい”と思った瞬間があるという。そのことを尋ねると……。 (全2回の前編/続きを読む

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民生くんにみんな持っていかれた(笑)

――民生さんにはどんな印象がありますか?

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藤井 民生くんは俺たちの下の世代の親分っていうのかな。民生くんやトータス(松本)の世代は人数が多いよね。斉藤和義くんも浜ちゃん(浜崎貴司)もそうだし。層が厚いんですよ。しかもよく一緒につるんでいて。

©三浦憲治

 俺たちの世代は全然いないんだもん。KANちゃんは亡くなっちゃったし、あと久保田(利伸)くんとか。(甲本)ヒロトくんも同学年だけど、みんなやってることが違うからつるむのが難しいよね。それに民生くんはフェスに出るとだいたいトリでしょう? そういう存在だなって。

――フミヤさんと民生さんが交流するようになったのは比較的最近ですよね。

藤井 この15年くらいじゃないですか。接点が全然なかったから。ただ自分がソロを始めたとき、最初のバンドがDr.StrangeLoveだったんですよ。それでツアーを回って、翌年も同じバンドでツアーをしようと思ったら、民生くんにみんな持っていかれたっていう(笑)。

「ボーカリストがたくさんいて、すごい楽しそうだなと」

――フミヤさんがソロ活動を開始したのは1993年で、翌94年にソロデビューした民生さんがDr.StrangeLoveの3人を含むバンド、GOZと活動を始めたんですよね。

藤井 だから「あれ?」って(笑)。声をかけるのがちょっと遅かったんでしょうね。(GOZのメンバーの)斎藤有太も一緒にやっていたひとりだし、そういうつながりから民生くんの名前が出ることが前からあって。だから直接の接点はなかったけど、身近に感じていたところはありますね。

 まあ俺は出発点がアイドルだったから、歩んできた道はちょっと違うけど。つるめる仲間もほとんどいなかったし。一方で民生くんは、(井上)陽水さんも含めて、つるむ仲間がやたら多すぎる気もするけどね(笑)。うらやましいところがありましたよ。あの世代の飲み会に一度誘ってもらったときに、その辺のボーカリストが普通にみんないて、すごい楽しそうだなと思った。