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昭和の特撮ヒーローを演じた役者たちが出演

―― 特撮番組の役者さんたちが河崎さんの映画ではたくさんキャスティングされていますもんね。

河崎 ほぼ制覇しましたね。『ウルトラマン』『セブン』『仮面ライダー』『帰ってきたウルトラマン』『ミラーマン』『シルバー仮面』。ほぼ昭和の特撮ヒーローには出てもらった。そういう好きな人たちに俺の映画に出てもらうと、俺はこの人たちをかつての役、例えばハヤタだとしか思えないんですよ。役者さんは嫌うんだけど、俺はそのハヤタがずっと後で何かやってるというような役をやっぱり作っちゃうんだよね。

―― 演じてもらう役にそのイメージがあるわけですね。

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河崎 そうなんですよね。俳優はそういうのは嫌うけどね。でも俺は、ハヤタがその後いろいろあってこうなってるんだという設定を考えるのが好きなんですよね。

―― 僕も平成ウルトラの映画で歴代の主役の方々に出演していただくもの(注5)をやったんですけど。

河崎 やったもんね。

―― 接してお話ししてみると、皆さんおっしゃるのは、こんなに残る番組だとは思わなかったと。子ども番組の一つとしてやっていたけど、マニアがこんなに育つとは思わなかったと。

河崎 そうそう。そのマニアの筆頭だけど。

―― 筆頭ですよね。

河崎 しかもすげえ嫌なマニアだよね(笑)。 

―― でも、そういうマニアがこれだけ研究して、オマージュ作品を作ったからこそこういうポジションになったということもあるんじゃないですかね。

河崎 そうだよね。夢にも思わなかったですよね。まさか実相寺昭雄監督に俺の映画の監修をやってもらえるとは。

実相寺昭雄監督が監修に

―― 実相寺さんは監修で何本もクレジットされていますけれども、どういうふうに頼んだんですか? 

河崎 「監修をお願いします」って。脚本と絵コンテを全カット書いて持って行ったんですよね。で、「どうですか」と言ったら、パラパラッと見て、「まあ、脚本や絵コンテを捨てることも大事なんだよ」とか言って、ポイッと。ああ、そうかと。映画を撮っていて、コンテどおりに撮らなきゃいけないんじゃ駄目なんだよね。プロというのは時間とお金の制約でやっているわけだから。だから、例えば雨が降ってきたとか、いろんなことが起きるじゃないですか。そうしたら、割り切ってカットするところはカットすると。臨機応変にやれという教えなんだなと勝手に理解して。だから『いかレスラー』とか、その後も全部監修だもん。名前だけ。