壇蜜主演『地球防衛未亡人』が当たったように、自分の映画はタイトルとキャスティングがすべてと明言する河崎実監督。なんと2025年には3本が公開予定だという。日本映画界を第一線で支える映画監督に若き日を振り返ってもらう好評インタビュー・シリーズの第8弾。(全4回の4回目/最初から読む)
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そんなアホな、という展開が好き
河崎 とにかく、何か異様なことが起きるのが好きなんですよ。映画で意外なことが起きるのが。デウス・エクス・マキナだっけ。
―― 機械仕掛けの神。
河崎 要するに、急にすごいものが出てきて全部ひっくり返るという。あれが好きなんですよ。そんなアホな、っていう。
―― 大体そういう展開ですよね。
河崎 大体そういう展開。あきれるものが最後に出てきて終わるっていう。
―― この話にもロボットが出てきたか、みたいなのも多かったですよね。
河崎 『大怪獣モノ』とか。見てないだろうけど。
―― いや、見ましたよ。
河崎 見た?
―― 主役が途中で変わっちゃう。
河崎 オチ、ひどかったでしょう。毒蝮三太夫が。
―― ああ、そうそう。ババアいじりで怪獣を倒す(笑)。
河崎 これもキングレコードに反対されたんだけど。山口(注1)さんに。
―― 「これ、本気ですか?」って一応言われるんだ。でも、押し切ったんですね。
河崎 うん。「じゃあ他に何があるんですか」っていう(笑)。怪獣映画のオチって、海底火山の爆発とか、海に落ちて居なくなるとか、いろんなオチがあるじゃないですか。だから、もう面白くないんですよね。人間が超兵器で倒すとか。なんかねえかなといって、あれになっちゃった。まあ、観てもらえば分かるけど。
―― そういう意味ではインパクトがあった。
河崎 俺の原点は、とにかく笑ってるだけですよ。こうなりゃいいんじゃないか、って笑ってるだけを実現化しているだけと言っても過言じゃないじゃないですか。最初の『フウト』だって、先輩と話して。