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―― 全部そういう目で見ちゃう。

河崎 そうそう。韓流ドラマも全然見ないんだけどね。全然面白くないから。怪獣が出ないから。

―― 撮りたい世界をやるには自分でやるしかないみたいな感じになっていったということですか。

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河崎 驚かせてくれればいいんですよ。意外なことが起きれば。予想を外すような。

―― 半分気持ちは分かるんですけど、僕も金子修介さんから「小中君は普通の映画は撮らないの?」と言われたことがあります。金子さんみたいに職人監督として何でもやるというのとはちょっと違う感じがある気がします。

河崎 あなたはファンタジーの天才だから。

―― ファンタジー以外、あまり撮ろうという意欲がないというか。

河崎 そうだよね。だって、普通の男女の恋愛ドラマなんかどこが面白いんだっていう。

―― そうなんですよ。

過去なしに映画は観れない

―― この間、古谷さん(注2)の『ウルトラマンになった男』の本を読み返したら…

河崎 読んだ? 俺も出てきたでしょう。

―― そうそう。河崎さんに「映画に出てください」と言われてすごい感動したという話が締めのほうに出てきました。さっきも話に出ましたが、子ども番組に出たのは一つの通過点だと思っていた方々が、それを見ていまだに自分をヒーロー視して映画を作ろうと言ってくる人が居たことに驚いた。僕が河崎さんの映画ですごく感動したのは、『いかレスラー』のきくち(注3)さんの役。きくちさんが最後に裸になってレスラーとして戦うじゃないですか。帰ってきたウルトラマンの中に入っていた人が、ああやって裸になって戦うというのは、すごいクライマックスですよね。僕らはウルトラマンの戦いを見てきたけど、そのスーツの下ではきくちさんがこうやって戦っていたんだと、生で見れる。

河崎 そうでしょう。そうなんですよ。やっぱり過去なしに映画は観れないと思っちゃうんですよ。スーツアクターってかぶっちゃうじゃない。かぶったら古谷敏がウルトラマンになる、きくち英一が帰ってきたウルトラマンになるっていう、あれがまた面白いんだよね。そういうところを語り出すと延々と語れちゃうよね。