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 「ダークな本音」、たとえばテレビ朝日の弘中綾香アナ。

「いま読み直してみると、弘中アナの発言、危なっかしいんですよ。『せっかくテレビ局に入ったので。テレビって広い意味で考えたら、大衆を扇動することができるじゃないですか』とか(笑)。危なっかしい発言はこれだけじゃなくて、よくぞこの原稿をテレ朝の広報が通したと思います。テレ朝としても推してる時期だったと思いますし、本人も野心満々だった時期の感じが出ていると思います」

中村勘九郎が明かした父との葛藤

 歌舞伎役者の中村勘九郎は、父である十八代目中村勘三郎が亡くなってからの葛藤を吐露している。

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 勘九郎 父を好きな人が、中村ファンになってくれた。で、僕が父ゆかりの演目とかをやるじゃないですか。もう、全然です。

 伯山  全然……というと。

 勘九郎 まず、僕のやることに気持ちがついてきてくれないですから。

 勘九郎はまた、勘三郎が亡くなってからの不遇についても触れており、こうした発言は、歌舞伎に関連するメディアでは絶対に読むことができない。

 伯山も伝統芸能の世界に生きる者として、勘九郎の話には感じるところがあった。

神田伯山 ©佐藤亘/文藝春秋

「勘九郎さんはお父さまである十八代目勘三郎さんの背中を追ってらっしゃる。私が思うに、師匠から芸を受け継ぐということには“遺産”と“負債”の両面があると思っています。一般的には遺産の方に目が向けられますが、寄席演芸の世界では師匠が亡くなると、精神的にも、芸の面でも解放される方が中にはいます。

 勘九郎さんの場合、お父さまとは、当たり前のことですがニンが違う。解放されてもいいじゃないか、と僕なんかは思ってしまうんですが、平成中村座やコクーン歌舞伎を引き継いでいく使命もある。そういうあらゆる呪縛を背負いながら舞台に立つって格好いいと思いました」