ゆいにゃ 大変と言えば大変でした。でも、当時の私としては勉強は習い事感覚だったんですよね。例えば、ピアノを習っている人は自宅でも練習しますよね。勉強も一緒で、塾に通っているなら家で勉強するのは当たり前だよな、という感じです。
また、父も母も「あなたがやりたいなら」と応援はしてくれるけど、私に無理やり勉強させることはありませんでした。私自身も、「何が何でも合格しなきゃ」とは思っていなかった。勉強自体は大変でしたが、追い詰められることはなかったですね。
「ロリータの格好で登校する人もいた」自由な校風の女子学院で身についた“価値観”
――中学受験のとき、女子学院以外にはどこを受けたのでしょうか。
ゆいにゃ 願書を出したのは、慶應義塾湘南藤沢中等部と、広尾学園、浦和明の星女子中学です。女子学院に受かった時点で受験は辞めてしまったので、願書を出したすべての学校を受けたわけではないのですが、受験したところは全て受かりました。
――「自由な校風に憧れた」とお話がありましたが、実際に女子学院中学校に入学して感じたことを教えていただけますか?
ゆいにゃ 他の学校と比較すると、校則はかなり自由だと思います。特に髪型や服装、メイクは完全に自由。ロリータの格好で登校する人もいるくらいでした。
同時に、「自由には責任が伴う」と、厳しさを教えてくれたのも女子学院でした。「誰かに寄りかかる人生じゃなくて、自分で選んだ人生を自分の足で歩んでいく」という考えは女子学院での6年で身につきました。
女子学院では、人格形成に役立てるために「生き方」をディスカッションする機会があるんですよ。私がつまづきながらも進学や就職、退職を自分で決断できたのは、この経験がベースにあるからだと思っています。
中高の6年間で自己肯定感が地に落ちてしまったワケ
――素敵な校風ですね。
ゆいにゃ ただ、私は中高の6年間で自己肯定感が地に落ちてしまって。入学する前は「私みたいに女子学院の自由な校風に憧れて入学してくる人が多いだろうから、気の合う友達がたくさんできそうだな」と期待していました。
でも、実際に入ってみたら劣等感に苛まれることの方が多くて……。女子学院には、「完璧な子」が多いんですよ。そんな周りと勝手に比較して、「私なんか」って考えをどんどんこじらせていっちゃったんですよね。
――「完璧な子」とは、具体的にはどのような人が多かったのでしょうか。