ゆいにゃ 例えば、私は一般的な家庭の生まれですが、同級生には社長や医者の娘がごろごろいる。テスト勉強をしなくてもテストがいつもほぼ満点の子や、「勉強が趣味」と言って1日に10時間以上も楽しそうに机に向かっている子もいる。
しかも、勉強をしっかりした上で、部活や趣味にも抜かりないんですよ。
一方で私は、勉強も彼女たちほどはできないし、勉強と部活の両立もできなくてすぐにキャパオーバーしちゃって。もう、劣等感しかなかったですね。
「あの子チャラい」「不特定多数の相手と付き合っている」同級生から陰口を叩かれたことも…
――現在は「人は人、自分は自分」という姿を見せていますが……。
ゆいにゃ あの頃は、本当にネガティブでした。だから高校時代には「良い大学に受かって、見返してやりたい」って気持ちが膨らんでいったのかもしれません。
――見返してやりたい、とは?
ゆいにゃ 真面目で勉強ができる子が多いからこそ、成績が悪い人を冷めた目で見る人が少なからずいたんですよね。特に私は成績が悪いだけじゃなくて、学外でバンドを組んでいてちょっと目立っていたから、陰口を叩かれることが多くて。
「あの子チャラいよね」「不特定多数の相手と付き合っているらしいよ」と、事実とは違う噂を広められたこともあって、悔しい思いをしました。
でも、勉強ができる人しかいない環境では、勉強ができない私は無力なんです。だから、女子学院の子たちも納得できるような大学に入って、自信を取り戻したかったというか。今なら、「勉強のできるできないだけで判断するなんて、狭い世界にいたな」って分かるんですけどね。
「MARCHに人権はない」発言の意図は?
――以前、「MARCHに人権はない」と発言して炎上していましたが、あれはどういう意図だったのでしょうか。
ゆいにゃ 偏差値にかかわらず素晴らしい大学がたくさんあることは、もちろん知っています。私自身、大学受験では青山学院大学や立教大学、学習院大学、専修大学や神奈川大学といった大学も受験しました。
残念ながら青学と立教は落ちてしまったのですが、学習院に受かったときは泣くくらい嬉しかった。「こんな素敵なところでキャンパスライフを送れたら、絶対楽しいだろうな」と思っていました。
でも、東大や早慶、医学部に進学する子が多い女子学院の中で、私が人並みの自信をつけるには、当時は学歴を身につけるしか方法がなかった。高校時代の私が信じ込んでいた感覚を表す意図もあって「MARCHに人権はない」と発言してしまったんです。
――高校卒業後は、早稲田大学の法学部に進学します。
ゆいにゃ 高校3年生の夏ごろまでは、ほぼずっと学年最下位の成績でした。周りからは「お前が早稲田に受かるわけない」と言われていたし、私自身も「見返したい」とは思いつつ、自信はありませんでした。
でも、結果的に早稲田大学の法学部と慶応大学の経済学部に合格できて、より「自分に合いそう」と思った早稲田への進学を決めました。
撮影=杉山秀樹/文藝春秋
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