〈あらすじ〉
収監を3日後に控え、羽原組を解散した組長・羽原大介(西田敏行)には、やり残したことが2つある。25年前に生き別れた娘のかおり(常盤貴子)との再会と、大好きなソウル歌手ジェームス・ブラウン(以下、JB)の名古屋公演を観に行くことだ。
弟分の金山組長(岸部一徳)は大介の願いを叶えるために、来日中のJBを子分たち(山本太郎、桐谷健太ら)に誘拐させる。ところがその人物は、かおりが社長を務めるプロダクションがNYから招聘したものまねタレントだった。そこから大騒動に発展し、思いがけない形で父娘の再会が実現するが……。
〈解説〉
大阪、東京、愛知・蒲郡を舞台に、娘との再会を願う父親の思いや、JB誘拐劇、偽JBを追う謎の組織の思惑などが交錯するコメディ・エンターテインメント。
関西人のヤクザの親分を演じた西田が、第46回ブルーリボン賞主演男優賞受賞。西田が披露するJBの「SEX MACHINE」を始め、ダンスシーンが随所にちりばめられている。ちなみに題名は同曲の歌詞「Get up!」より。『のど自慢』(99)、『ビッグ・ショー! ハワイに唄えば』(99)に続く井筒和幸監督作。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆ジェームス・ブラウン大好きという、かわいげのあるヤクザの組長を好演(もっとワルでもよかったけれど)。弟分のヤクザ役に岸部一徳を配したのも正解。脇のキャスティングも、結構、充実している。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆もう少しサクッと揚げてほしかったが、冗談とガッツを好む井筒和幸監督の体質がよく出ている。西田敏行も巧さを突き抜け、ナンセンスの滝つぼに頭から飛び込む。役者同士の無意識の連携が動力源。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆収監目前の大介親分を西田敏行がコッテリと好演。子分たちも井筒監督作品のパワフルなノリに合致。切なさが吹き飛ぶ超ラッキーで超ハッピーな結末に小躍りしたくなる。聡明な孫娘が全てを繋ぐ。
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森直人(映画評論家)
★★★★★音楽性の高さという西田敏行の卓越が肉体丸ごと活きまくった快作。大阪弁のグルーヴもなりきりJBもソウルパワーが漲り最高。ヤクザ役の凄みは『アウトレイジ ビヨンド』&『最終章』にも繋がる。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆今作の組長役が後の『アウトレイジ』に昇華すると思うと、岸部一徳とのペアだけで十分笑う。肝心な踊りの場面、映画ならではの大胆さと井筒節な大勢わちゃわちゃする構図の対比で観たかったかも。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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ゲロッパ!
2003年公開
井筒和幸監督、114分