【1区】中央大・吉居駿恭と兄・大和の“まるでリビング”のようなやりとり
今回、僕が全区間、追いかけ観戦をしようと思ったのにはいくつか理由があるのですが、その1つが、今年から「あまこま」に掲載した追っかけ観戦時刻表が本当に役に立つのか、監修者として実地調査をしようと思ったからです。
1区は近年、スローペースとなる傾向が強く、大手町近辺でスタート後の選手たちを見たら、そのまま地下鉄に飛び乗って、三田で選手たちを迎えるというのが我々の黄金ルートでした。
ところが今大会は、スタート直後に中央大の吉居駿恭選手が飛び出し、さらに他の選手たちが追走しなかったため、トップと後続の距離が離れてしまった。このペースではすべての選手が通り過ぎるのを待っていたら、先頭と後続の差が離れすぎてしまい、先頭に時刻表を合わせるか、最終ランナーに合わせるかで、その後の移動に大きく影響が出てしまう。あまこま片手に移動された方は序盤から、「どこまで見続けるか?」という判断が大変だったことでしょう。
さて、吉居選手はその後も好走を続け、兄の吉居大和選手が3年前に出した区間記録1時間00分40秒に迫る1時間1分7秒、歴代4位の記録で、見事区間賞を獲得します。
このあとの区間賞インタビューが秀逸でした。
箱根駅伝の放送を行う日テレのスタジオには、過去に箱根で活躍した選手がゲスト解説者として呼ばれるのですが、今年のゲストは兄の大和選手。
通常は先輩・後輩の間柄なので、選手側は敬語になるのが通例ですが、今回の聞き手は兄。初っ端から弟の「これ敬語の方がいいんですかね?」という発言が飛び出し、その後も兄が「まさか出るとは思ってなくて、兄的にはすごくドキドキしちゃったけど…」と語りかけるなど、兄弟だからこその和やかなやり取り。まるで吉居家のリビングにいるかのような錯覚におそわれました。
兄・大和選手も飛び出しからの好走で区間賞を獲得していますから、駅伝ファンは兄弟揃っての飛び出しが見たいと思っていました。それが叶っただけでなく、兄弟インタビューまで見せてくれた日テレのキャスティングにはグッドジョブ!と伝えたいです。