【3区】中央大の躍進を予想した夏の北海道での出来事
駅伝ファンは青学大の4年生の鶴川正也選手が、最初で最後の箱根駅伝に出走できるかどうかに注目していました。今季、出雲駅伝と全日本大学駅伝で区間賞を獲得し、5000m、1万mでも大学記録を更新するなど、絶好調の鶴川選手を青学大は3区に配置。ところが、その鶴川選手を抑えて区間賞を獲得したのが、中央大の本間颯選手です。
僕は今年に関しては、中央大をずっと推していました。それには理由があります。
7月上旬から中旬にかけて、北海道の北見・網走・士別・深川・千歳で順に行われる、ホクレンディスタンスチャレンジというトラックレースでの走りを見ていたからです。
この大会、一般的にはあまり知られていませんが、暑さが厳しい真夏に、涼しい北海道で行われ、記録が出やすいことなどから、トップクラスの実業団選手が集結。ハイレベルなレースが繰り広げられるとあって、大学生トップランナーも多く参加します。
中央大は前回2024年の箱根駅伝直前、体調不良者が続出。優勝候補の一角として挙げられながらも、シード権を落としてしまいました。だからこそ今大会では是が非でもシードは取らなくてはいけない状況でした。
そんななか中央大の選手たちは、昨年のホクレンに出場し、実業団トップ選手の中にあってほとんどのレースで先頭に出て、積極的にレースを引っ張っていたのです。
1年生から4年生まで、すべての選手に前で引っ張って行こうという気持ちが見えた。こういうことができるチームは強いなと楽しみにしていたのです。
中央大はシード権を落としていましたから、10月の箱根駅伝予選会と、11月の全日本大学駅伝で、選手を分けて出場させました。そのため予選会の成績はあまり振るわず6位。そのチームがここまでの好走を見せ、本間選手が鶴川選手を抑えて区間賞を獲ったところに箱根の面白さがあります。