1ページ目から読む
4/4ページ目

 外食の機会も増えたようで、11月中旬には、都内の隠れ家的な韓国料理店を複数名で訪れていた姿が目撃されている。店のオーナーとは知り合いらしく、焼酎を口にしながら、店員が焼く厳選された肉に舌鼓を打つと、自ら支払いを済ませて、お土産を持って店を後にしたという。かつては六本木で高級ステーキ店「ステーキ そらしお」を経営していただけあって、肉好きで、美食家なのだ。

 往時と変わらぬ姿を見せる一方で、事件後、保釈金や裁判費用の捻出に苦慮していた様子も窺える。軽井沢にある別荘なども「手放すことを考えている」と周囲に漏らしており、2023年4月にはコモンズの代表を妻に譲って顧問に退いていた。

 さらに、コモンズ名義で所有していた港区虎ノ門にあるタワーマンションの事務所には、7月に銀座の“名物ママ”がかつて代表を務めていた会社が、1億3000万円の抵当権を設定。このママは、銀座で複数の高級店を経営した後、引退しているが、2012年にも治之に個人で2億円を超える貸付をしていた資産家だ。コモンズは、事務所を同じマンションの下のフロアにある手頃な部屋に移し、業務を縮小しつつ、裁判シフトを敷いている様子だった。

ADVERTISEMENT

「反撃しようと思っている」

 2023年の8月下旬、世田谷区内に聳える治之邸を訪ねた。閑静な住宅街のなかでも、ひと際目を引く4億円相当の豪邸だ。郵便受けに取材依頼の手紙を投函すると、後日、見慣れない番号から着信があり、留守電にメッセージが残されていた。

「高橋治之です。僕が借りている書斎みたいな場所から電話をしています」

 伝言にはそうあったが、確認すると、それはコモンズの番号だった。折り返すと、すぐに本人が電話をとった。

「取材の依頼は結構来ているんだけど、裁判の前にあんまりやると、良くないらしいんだよね。今は弁護士からも止められている。マスコミは一方的に検察側の言い分を書いている。検察側が(リークを)勝手にやっているんだよ。これから裁判始まったら、反撃しようと思っている」

 フランクな語り口ながら、言葉の端々には怒りを滲ませた。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。