高校の同級生と結婚
高校に進学した荻原さんは、16歳の時にクラスメイトの男性から告白されたことをきっかけに交際を始める。
交際は高校3年間続き、卒業後、荻原さんは卸売業の会社の事務に、彼は製造系の会社の工場に勤務が決まる。
「思えば、付き合い始めて2年目くらいから、私は気に入らないことがあるとすぐに不機嫌を撒き散らしていました。彼からの『服に毛玉がついてるよ?』というちょっとした指摘さえ受け入れられず、すぐにムスッとしてしまい、彼から謝られるまで不機嫌な態度をとり続けました」
高校卒業から5年後、結婚を前提とした同棲をスタートすると、それはますますひどくなった。
「私が作った料理に調味料を足されたり、『今日のお化粧変じゃない?』なんてデリカシーのないことを言われたら、キレて暴言を吐いたりしていました。休日、彼が趣味の野球やフットサルをしに行くたびに怒っていましたし、帰宅時間が0時を超えた時は30分ごとにLINEを入れました。怒りに任せて泣き喚き、玄関に彼の服を全部投げ捨てたこともあります。抱きしめてほしくて暴れたり、追ってきてほしくて家を飛び出したりしたことも何度もあります」
その度に彼は荻原さんをなだめ、謝り、抱きしめた。
同棲から1ヶ月経たないうちに彼からプロポーズし、2人は23歳で結婚。
荻原さんが同棲のために実家を出るとき、母親が一緒に家を出たことで始まった両親の別居は、約1年後、離婚という形で終わりを迎える。父親55歳、母親49歳だった。
母親が「バージンロードは絶対にお父さんと歩かせない」と言うため、荻原さんは父親には父親としてではなく、いち親族として結婚式への参列をお願いしたが、父親は結婚式に来なかった。
その約3年後、荻原さん夫婦は新築一戸建てを購入し、不妊治療を経て男の子を出産。幸せの絶頂を迎えていた。