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――お話を伺っていると、白田さんと小林さんはタイプが真逆なはずなのに本当に仲がいいんですね。

小林 ねえ(笑)。やっぱりそれってお互いのリスペクトがあるんだと思う。白田のすごさもやっぱりあって、僕のすごさを白田も分かってくれている。

 あともう1つあるとしたら、同じ時代にツートップとしてテレビで持ち上げられて、自分たちの立場を理解しながら、お互いフードファイトを改革していこうねという意識が2人ともありました。対戦者としてはライバルなんだけど、業界を大きくしていくという意味では仲間なんですよ。

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 今でも会うと「単なる大学生がテレビ局のプロデューサーとかディレクターにちょっとわがまま言いすぎたよね」って笑って話してます。

2024年秋、引退直後にも白田さんと会ったという(小林尊さんのXより)

SNS時代にフードファイターたちはどう「食べる」べきか

――現在の大食い業界を小林さんはどういうふうにご覧になっているのでしょうか。

小林 大きなメディアに全部頼りきりではなく、自分自身が発信できるチャンネルを持てるというのは今のフードファイターたちにとってすごくいいことだと思うんです。自分のチャンネルを持っているということは、自分にその軸とコントロールがあるということ。

 よく後輩に話すのは「どの番組、どのプラットフォームに出ても、忘れちゃいけないのは、大食いはあなた自身がコンテンツだよ」と。あなたがたくさん食べることがコンテンツなんだから、自信を持ってやっていかないといけない。だからほかのプラットフォームに行ったときに個性を薄めすぎないでほしい。それがフードファイターたちの魅力にもなるし、業界の力にもなると思うんです。

 

――もし2000年にYouTubeがあったら、小林さんはどうしてたでしょう。

小林 そうですね。もっと発信できていたら、テレビ局との揉め事も少なくなってたかも。もうちょっと助けを待てたでしょうし、ファンのサポートをもっと身近に感じたでしょうし、アメリカでのあれこれももっと違った動きがあったのかもしれないですね。

 だから引退したこれからは、そういったものも駆使しながら、日本でもっと若い世代が活躍できるような大会をつくりたいです。自分が今まで経験したものを選手の立場になって大会に落とし込めたら、いい大会になっていくんじゃないかって。選手がやりやすくて、やる気の出る大会に。

 

――最後に……小林さんが一番好きな食べ物ってなんですか?

小林 一番かぁ。むずかしいですね。好きなのは……ヨーグルトと豆腐が好きですね。

――意外! ヨーグルトとお豆腐。

小林 子供のころからの好き嫌いっていうのはだいぶ変わったんですけど、20代くらいからはずっとその2つが好きで。ずっと食べてますね。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

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