社会主義体制下のポーランドで生まれ、90年代に民主化による社会の激動を経験し、ドイツ、オランダ、アメリカを経て、現在は日本に在住。日本暮らしは17年以上にわたり、職歴にはモルガン・スタンレーやGoogleといったグローバル大企業の名前が華々しく並ぶ。そんな個性的なキャリアの著者が書いた「働き方」の本が売れている。
「とてもおもしろい方なので、著者本人の考え方や人となりにフォーカスした、楽しい本にしようと考えながら編集しました。著者の働き方は今はまだ特別です。でも近い将来、多くの人がこうした働き方をするのではと思っています」(担当編集者の鈴木萌さん)
2020年代の「成功者」とは、新しい価値観を提供し、他者への貢献を通じて自己実現する人である。変化する世界でチャンスを掴むには、常に学び続ける姿勢が重要だ。著者自身の体験にくわえ、連続起業家の孫泰蔵氏など、幅広い交友を元にした豊富な実例を引いて示される「働き方」の提言は、どれも刺激的だ。
「安定していると思えた大企業が不祥事で経営を傾かせたり、AIの急速な進化で仕事が失われると言われていたりするのを見て、誰もが『現状のままではまずい』と感じていますよね。でも未来のビジョンはなかなか見えて来ない。そんなとき、著者のように日本の内と外の視点を同時に持つ方の意見は、大きな参考になるのでは」(鈴木さん)
2018年2月発売。初版7000部。現在7刷5万5000部