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課題に苦しみ、涙を流す子には……

 容姿に自信が持てず悩んでいた参加者に「泣いちゃいそうになっちゃった。全く同じすぎて。私の昔の理由と」としみじみ語り、ダンス練習についていけず涙を流す参加者には「やだ無理私も泣いちゃう、やめて~」と少しおちゃらけて和ませ、メンタル不調に悩んでいたと話す参加者には「私も鬱やったことあるんですけど、付き合っていく形じゃないですか」と優しく話しかける。

最終審査に残った10名の参加者たち(『No No Girls』のXより)

 ちゃんみなが設定した課題曲に苦しむ参加者に、「どう? 難しいよね。ここのチームは結構マジで 『ごめんなさい』っていうくらい」と、それが参加者のレベルの高さ故のハードルであることをそれとなく知らせる。

 言ってないでしょうか。「俺が(私が)若い頃はもっと大変だったよ」「これくらいはできて当たり前だから」的な発言。思い出しましょう、我々も若い頃、全然出来てなかったということを!

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2. 試さない

 参加者たちは各審査で課題を与えられ、チームごとにそれを発表していきます。チーム分けも課題曲やテーマもちゃんみな自身が考案し、さらにその狙いや意図までをあらかじめ参加者に告げるのです。

「私は絶対に口パクさせないから」

 と話すちゃんみな。その後に「ダンスをがんばりすぎない、良い意味で」「この体勢でラップ歌うと苦しくなる」など「踊りながらうまく歌うコツ」を呼吸法を交えて自らレクチャー。

「口パクだけは許さない、絶対」と力強く主張するちゃんみな(『No No Girls』のXより)

 言いっぱなしにはしない、具体的に説明する。“試し”行為をしないのもちゃんみなオーディションの特徴の一つ。なぜなら、

「審査って一般的には私がみんなを審査する場だと思うんだけど、JEWEL*が私を審査する場でもあるんだよね」
*オーディション参加者

 昨年のM-1決勝でも同様の発言がありました。エバース佐々木さん、ノノガ見てますね。「参加者が審査員を審査する」とは、まさに深淵。深淵をのぞく時、「狂った精神に才能が開花」。